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くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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川崎の109シネマズに見に行ったら満席。
えー!ま、まさかジョニデ効果!?と混乱したけど、どうやら「アバター」を見に来たのに満席で入れなかった人達が始まる時間の一番近いやつになだれこんだらしい。
ふ、ふざ、ふざけんなよと呪いつつ徒歩五分の距離にあるTohoシネマズで見てきました。余裕でした。


あらスージー

2007年のロンドンで、夜な夜な道端に現れる大道芸の一座。出し物は鏡の中に入った者の欲望を満たす「パルナサスの鏡」。しかしパルナサスには悪魔との契約により、娘を悪魔に奪われる運命が待っていた。期日は娘が16になる誕生日。その日が間近に迫ったある日の夜、一座は運命の鍵を握る瀕死の青年を拾う。彼により悪魔の企みから逃れるかに見えたパルナサスと娘。だが彼には、秘められた過去があった…


ヒース!!


いやもー…なんつーかもー…これが最新であり最期のヒースの姿なんだと思うとほんと…まずはこの映画を完成させてくれた制作陣と役者陣に心の底からありがとうを言いたい…

やっぱり彼の演技は群を抜いて印象的でした。
「ダークナイト」の彼は徹底して狂言回しであり、いわば物語の外側から内側に腕を突っ込んで引っ掻き回すような「悪意の第三者」を非常に魅力的に演じていたけど、本作では存分に物語に振り回される青年の役でとても良かった。

ヒースの演じる事が出来なかった「鏡の中のトニー」の代役を買って出た三人も素晴らしかった。ジョニーデップの奇妙なイケメンぶりも、弾けた三枚目のジュードロウも、甘いマスクでド鬼畜かますコリンファレルも凄く印象的。
三者三様の存在感が観客を良い意味で煙に巻く、楽しい展開でした。

もー何より最高なのが全編に漂う胡散臭さと皮肉に満ちた笑い。
トニーという青年の、いい加減で嘘つきで自分勝手な、それでいてどこか憎めない間抜けな感じ。人間が先天的に持っている情けなさ。或いは鏡の中で、或いは外で展開される人々のあまりに陳腐で俗っぽい願望の数々。それらを監督テリーギリアムは徹底的に戯画化して描く。
またその手法が呆れる程不変。モンティパイソンのオープニングアニメーションと何ら変わり無い悪ふざけが、映画全編に渡って展開されるのだ。そうそうたる俳優達によって。


ラストがちょっとギリアムっぽくないんだけど。それすらも新鮮で宜しい。
はっきり言ってストーリーなんかどうでも良いと思います。
ただ見るべき。
そして敬意を払うべき。
愛に満ちた映画です。
何を置いてもオススメ!
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若い頃はあそこへ足を運ぶたびに元気を絞り取られるような気がしたけど、久しぶりに渋谷へ行ってみたらやけに楽しくて、昔とは逆に元気を貰った気分。きっと若人のエナジーで動いてんだな!あすこ!


ま、映画観てきた訳ですがね。


あらすじ

いつともどことも分からぬ世界の話。按摩のオグリは大王にその腕を買われ国に留まれと誘われるが、それを断ったため殺される。
その大王に囲われていた美しい娘テルデは、ある夜意を決して暴君の下から逃げ出す。
一方オグリは「やり残した事がある」と死後の世界の番人に告げ、自分では歩く事も出来ない状態で現世に帰って来るが…


うーん。
うんうん。
分かるよ。
何つーか 何てんだろ あのね


役不足。


小栗判官の伝説を映画化する事は別に悪くない気がする。するんだけど、昔の話って基本退屈じゃないですか。…え、今のオチ?的な。だからただ漫然と映画化しても、単なる山場の無い話になっちゃったりならなかったり。いや、なっちゃってますね。今回は。

あと、まーこれは今更なんだけど役者陣が弱い。せめて、せめてフロントには本職の役者を…!
あと渋川清彦というインパクトの無さが裏目に出てて、大王つう悪役もやっぱりちょっと弱いですねー。
新井浩文も今回はちょっともったいない感じ。テルデ姫やってる草刈政雄の娘も、可愛いけど存在感はあまり無いし。そもそもオグリとテルデ姫の年齢差が始終気になって…何て言うか萌えない歳の差なんですよ。例えば20代後半男と中学生女子は萌えるけど40代男と女子高生は生々しくて気持ち悪い的な。あるじゃないですかそういうの。

それからこの人の映画は割といつもそうなんだけど、台詞が固い。ギャグもそうじゃないのも、もうちょいこう…何とかなりませんかね!


でもラストのやっちまった感は好きですねー。
あーいう、こちらを唖然とさせるような事を出来ちゃうのはとても良い。口当たりの良い、退屈な映画よりはよほど好感が持てます。
まあ私に好かれたところで何もありはしませんが。


うーん、映画としてはあんまりおすすめしませんけど。まあキャストのファンなら観ても…つっても新井浩文ファンはあんまり満足出来ないかもしれない。あんま出てこないし。
ま、主役の中村達也とか好きなら。
あと監督のファンは面白かろうがつまらなかろうが見に行くでしょう。

年を経てもなおとんがる豊田監督を全力で応援します。お帰りなさい!


あと、こういう無国籍和風ファンタジーの世界観とかデザインって一定のコードでもあるのかも知れないですけど、やけにびらびらぎらぎらしたこの感じ、最近何かで見たと思ったら「TAJOUMARU」でした。
まったく…着物くらいちゃんと着ろ!

関連エントリ

私の好きな豊田監督について
やっぱ良いわ 「青い春」
満足出来なかった新井ファンが満足できる映画について
結婚して! 「クヒオ大佐」
年末年始は今年も大人しく高知に引っ込んでおりました。もはや第二の故郷といった感さえあります。あの何にもなさが癖になる!嘘!なってたまるか!

で、何にもないので元旦からツタヤです。(おわってる)
だらだら棚を眺めていたら見覚えのあるタイトルが。よくみたら「showbizcountdown」(テレビ東京)で紹介されてて「うわーえぐー面白そー」と思っていたやつでした。そうかーこーゆーのがDVDスルーになるのかー。

あらすじ。
ビヨンセの旦那に惚れた白人女ストーカーとビヨンセが全てをかなぐり捨てて闘うよ!

「ま、正月だし」と軽い気持ちで借りて観たんですが、いやーーー面白かった。ま、美女二人のキャットファイトって時点で相当心は踊るんですがそれにも増して笑えるのは、ビヨンセの戦闘能力が見るからに高過ぎるところです。
ていうか闘う前から敵意むき出し過ぎで、ビヨンセは一応の被害者であるはずが、正直全く気の毒に思えないのが難点といえば難点なんだけど、設定上のビヨンセは所謂勝ち組なので(旦那は企業の副社長、でかい家、子供一人)「まー人生こんくらい攻撃的じゃないと成功しないかもな」という気にさえさせる。

つーかどう見ても

ビヨンセ >>>>越えら(ry>>>>女ストーカー

なので(身体能力的な意味で)何かストーカーが可哀想に…まーこの人はこの人で頭おかしいんだけどね。
クライマックスの「嫁が家を出たのを見計らって旦那を待ち伏せするストーカーと鍵かけるのを忘れて戻って来た嫁が鉢合わせ」という、もう聞いただけで内臓がキュッとなりそうなシチュエーションが最高でした。

またストーカーが完全に旦那を狙い撃ちするつもりだったからベッドに薔薇の花びら散らして自分はデカめのTシャツ一枚という出で立ち。で扉開いたと思ったらまさかの嫁!ていうシーンはいたたまれなさすぎた。

もー旦那のヘタレぶりと言い女ストーカーのはち切れそうな奇行三昧と言い始まりから終わりまで七転八倒。ぜひ!ぜひ女同士で!
おすすめでーす!


といって(あと酔ってた)ブコフで「MW」を買ってしまい、改めてつまんなさに打ちのめされたのが悔しい。知ってるよ。つまんないのは知ってたんだよ。だから山田さんを見る為に買ったの分かってるの
なああああそれにしてもつまんねえなああああこの映画あああ!

ムカつくのでメスを入れてやる。このクソ脚本に。

関連エントリ

好きな人が出てる駄作よりは好きな人なんて一人も出てない駄作の方がましだわ。
→はいはいBLBL。 「MW―ムウ―」


日本ではDVDスルーの作品。
クリスチャンベール主演って実はあんまり集客効果無いんだろうか…
「パブリックエネミーズ」もジョニデとチャンベ共演!とかはしゃいでたらCMや宣伝ではことごとくチャンベ無視られてて泣いた。嘘ワラタ。

ちなみに本作品の真面目で面白い評はやもりさんのブログに載ってるのでそっちを参照してくんちぇ!ストーブ貸してくんちぇ!(フラガール)

あらすじ。
ベトナム戦争下のラオス。機密指令によって出陣したパイロット・ディーターは敵の狙撃を受けて墜落してしまう。あえなく捕まってしまい捕虜となるが、彼は同じ捕虜仲間の男達を焚き付けて全員での脱走を試みた。


昔松本大洋が、名作「花男」に関してインタビューを受けていたのを読んだ。
曰く、本当は花男を「すれ違う奴を片っ端からバットで殴るような危険人物にしようと思っていた」らしい。

花男は30を過ぎてもなお「巨人の4番になる」という夢を追い続けている男だ。彼には嫁も息子もいるが、それらの事は彼にとって何らの障害にもなりえない。
妻子とは別居していて、仕事もしていない。する事といえばトレーニングと、所属している野球チームの試合だけだ。ちなみに試合に勝つとメンバーから賞金と食料品が贈答されるので、それで生活している(息子の茂雄に「要するに恵んでもらってんのね」と言われてふくれていた)。

松本大洋は、「夢を見てる奴なんて、端から見ればただの迷惑な奴ですよ。って事を言いたくて花男を描いた」と言っていた。

確かになあ。と思う。
その点に関しては「花男」と本作にはかなり似通った視点を見い出す事が出来そうだ。

ディーターはもうとにかく飛行機に乗って空を飛びたくて仕方ないという男で、脱走を計画してから実行する間も、ひたすらその事 つまり再び飛行機に乗って空を飛ぶ事、だけを考えている。
花男にとっての野球が、ディーターにとっての飛行機なのだ。
そしてディーターは、松本大洋が描きかけて結局やめた「夢見てる奴はただのはた迷惑な危険人物」というテーマを見事に体現する事となる。


捕虜仲間の中に、ディーターが脱走計画を立て始めた当初から脱走自体に乗り気ではない男がいた。
彼は自分が不参加であるというだけでなく、ディーターに脱走をやめろと何度も言った。
当然だ。
よしんば脱走が成功しても、ベトナム兵達は残った者達を拷問するに決まっている。
今までで既に相当酷い仕打ちを受けているんだから、この上となると何をされるか分かったもんじゃない。

でもディーターは聞かない。
これも当然だ。
再び飛行機に乗る為には此処から生きて出なければならないからだ。
だから反対する彼をかなり強引に煽って、ついに彼を脱走計画に引き入れる。


この後、辛くも脱走は成る。
しかし悲劇はそこからだ。
脱走に反対していた男は、ディーターに問う。

「どこに行けば良い?どうすれば良いんだ?」


彼はディーターよりも長い間捕虜として生活していた。
生きてそこから脱出する事を望まなかった訳では無いだろう。しかしディーターの殆んど脅迫に似た誘いに乗り(もしくは乗らざるを得ず)、いざ脱出に成功した時、彼の前には何らの道標も見えはしなかった。

当然だ。
捕虜として生き延びるには、捕虜でなかった頃の生活をある程度忘れなければとても耐えられはしないだろう。
長い時間をかけて、過酷な状況に、いわば暴力的不自由という闇に心身を慣らしてきた男に、ディーターは突然自由という直射日光を浴びせたのだ。
彼の目は一時的に光で潰れた。
だから主導者であるディーターに問うたのだ。
次は何処に行けば良いんだ?と。


しかしディーターはそこで彼を捨てる。
「お前が何処に行くかは知らない。」
そう言って踵を返す。


こ、この、この人でなし!とまっとうな人間を相手にするなら言うべきところだが残念ながらディーターはまっとうな人間じゃないのでした。ちゃんちゃん。

しかし物語はディーターの異常さをはっきりと観客に説明しない。
ただ理解させる。
その上でこの作品を、ディーターにとっての完璧なハッピーエンディングで決着させるのだ。
異常者の望む世界=狂った世界である。


しかも終わりだけ見ると物凄いまっとうなアメリカーンなハリウッド映画なところに監督の悪意が見える。考えてみれば、最初からこの物語はいびつだったのだ。
端的に言うと、ディーターが怖い。特に目が。

戦争に赴く時、飛行機に乗り込む前、墜落して現地人に捕まった後でさえも、ディーターは前向きに、希望を失わず常にチャンスを掴む為の努力を惜しまない。
ように見える。


でもやっぱり変なのだ。
ディーターはいつも何処か遠くを見るような、向かい合う人を透かしてその向こうに笑いかけるような。そんな顔をしてる。


ディーターの内に潜む狂気は、はっきりと明示されていないと言えない事もないし、まあ無視して非常にスタンダードな戦争映画、もしくは現実を基にした物語として観る事も全然可能。ただ、そしたら多分つまんない映画って事になると思う。

これが例えば「花男」なら。
良い話だ!花男良かったね!茂雄良かったね!と感動してる人の隣で「でもこの花男ってさ、考えてみたら異常者じゃない?夢を見続けてる大人って怖いよ」

なんて 言おう もんなら

「何て野暮な事を…」
「漫画とリアルを取り違えんなよ ダセー」
「つまんない男」

とあらゆる人から総スカンを食らってもおかしくないところ。

そこをこの映画だと

「ふーん 良かったじゃんディーター。」
「…でもこのディーターってさ…(以下略)」

と 言ってみたらばあら不思議。

「…た 確かに。言われてみれば変だね。」
「もっかい見返そうよ。ディーターの目!」
「そういえば虫食ってる時の顔がどことなく怖かったような」

この通り多分大盛り上がり。多分ね。


同じような異常者を扱っていても、同じようなテーマを掲げていても、作品の正しい受け取り方、楽しみ方はそれぞれ違うんだね。という事で。まあ作った人の一番言いたい事が違ったり育って来た環境が違ったりするんでしょう。
あと多分「戦場からの~」にはハリウッド的戦争映画に対するおちょくりが多分に含まれているよね。

あと、あれだ。
ディーターには茂雄がいないんだな。
保護者の付いてない夢追い人=狂人という事か…


ともあれ楽しみました。
是非皆さんもディーターの狂気に満ちた目を確認してみて下さい。オススメです!

まあ、ディーターって実在の人物らしいんですけどね…
狂人て!(自分に)




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