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くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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正直に言おう。
プレーヤーの故障かと思った。


あらすじ

孤児院育ちのケンタとジュンは、ちっちゃい時からいつも一緒。
金も学歴も無い二人が仕事なんぞ選べる訳もなく、ドカタとして
給料ピンハネ著しい一応の上司に虫の如く扱われながらも歯を食いしばって生きる日々。
そんな生活に嫌気がさして、ケンタは上司の車を破壊し、
ジュンと一緒に会社のトラックをパクって逃亡を謀ったところ、
何故かジュンの一応の彼女であるカヨもくっついてきてしまう。
男二人女一人の、あまりにもあぶなっかしい逃避行が始まった。
ケンタが選んだ行き先は、兄が収容されている刑務所のある町
北海道・網走。


まあ、正直に言うと
「で?」
っていう内容ではあるんですよね。
そもそもがロードムービーって割と
「で?」
って結末になりやすいテーマだと思うんだけど、
そうなってしまうには理由があるんだろーと。
で、思ったんすけど。
あの名作「ノッキンオンヘブンズドア」も
まあ、見ようによってはロードムービーだと思うんですよね。
で、あれはまあ名作なので、ラストシーンは
「で?」
どころか号泣必至な訳ですよね。
何でこっちは
「で?」
ってならないのかというと、これは恐らく
「海に行く」
という最終目標がバシッ!と決まっているからじゃないかと思うんですよ。
思うんですばっかりで申し訳ないんですけど。確証とか無いし。
何で海に行くの?
だって海見たこと無いから。
天国では海の話が大流行してるので
海を見ないまま死んだらつまはじきものになっちゃうから。
ね?
ちゃんと理由があるんですよ。

翻って考えるに、この映画のケンタが何故兄に会いに行こうと考えたか。
という明確な理由付けが、はっきりとなされていなかったような気がするんですよね。
何の為に兄に会いに行くのか。
そこんとこがぼんやりで、だから結末もぼんやりしている。
会いに行った目的が、果たされたのか、果たされなかったのか、
良く分からないまま、とりあえず終わる。
とりあえず青春ゆえの迷走っぽい事件がいくつか起きて、終わる。
うーん。
正直それは
どうなんだろう
かー。


と思った次第ですが良いところもありましたよ!
キャストね!

主演二人はまあ、可もなく不可もなくなんですが
まず、殺意さえ抱ける感じで腹立たしい彼らの上司に新井浩文。
あと主人公たちと同じ職場で働いているおっちゃんに柄本明。
ケンタの友達に柄本佑。
柄本佑のおかあちゃんに洞口依子。
ジュンが一瞬惚れるキャバ嬢に多部未華子。
それからケンタのお兄ちゃんを演じているのは、宮崎あおいの実兄だそうです。
わーお。

あと、ほんとになんてこと無いシーンなんだけど、
カヨちゃんをほっぽって二人で車を走らせるシーン。
最初は自分たちが行った酷いことにテンションが上がり、きゃっきゃ楽しそうに
ドライブしてんだけど、暫くして一気にテンションが下がり二人して黙り込んでしまう。ってところ。
「卒業」のラストシーンっぽくてなかなか良かったですよ。

そんなとこかなー。

大森監督(大森南朋の実兄)のデビュー作「ゲルマニウムの夜」も
なんか…うーん みたいな出来だったけど
その印象は今回も一緒。
せめてもうちょっと面白ければ!
キャストは良いんだから!
そんな感じでちょっと苛々しました(あっ)
声もほんと聞こえないしさー
もうちょっと声張れよ!
映画なんだからさ!


そんなかんじ。
キャストのファンにはオススメ。
特に柄本佑のファンは必見。
割と三枚目の役が多い彼ですが、
本作品では正体不明の色気を垂れ流しており
私ドキドキしちゃいましたよ。えへへ。






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無題
この映画には関心がないんですが、読んでいると日本映画の疑問点が色々浮かんだのでコメントさせていただきます。

まず、「声が聞こえない」との事ですが、要は台詞が聞きとれないってことですよね?これほんっっとに多いですね。青山真治とか是枝裕和のの作品でもそういうのがあって本当に酷かったです。最近はマシになってきたのかと思っていたんですが、僕がババをひいてないだけで、まだまだあるんですね。この手の映画は、仮に映像とか脚本とかが良くても、映画として問題外だと思うんですよ。まあDVDなら巻き戻したりイヤフォン付けたり字幕付けたりして対処できますけどね。本当になんでこんな音響になってるんでしょうね。TV局出資のある程度金が掛かってる映画だと僕が観た限りこういう事はないので、やはり製作費の問題なんでしょうか?何を削ってでも台詞は聞きとれるようにすべきだと思いますが。

次に映像についてですが、日本映画って映像が無駄に暗いの多くありません(逆に中島哲也とかは無駄にケバケバしい)?照明とか技術とセンスを持った人が担当してるの?みたいな。なんか映像から作り手側の美意識と言うか美学が感じとれないんですよねー。無駄に長回し多いし。無駄に引きのショット多いし。表情を捉えたカット少なすぎだし(逆にTVドラマは顔のアップ多すぎ)。

お次は、ダイアローグについて。不自然な台詞が多くありません?若い女の子が「~だわ」とか言ってたり。異様に理路整然としてたり(これはドラマやアニメでもありますが)。逆にボソボソとしか喋んなかったり。もうこれだけで観る気失せるんですよね。伊坂幸太郎原作の映画なんて不自然な台詞多過ぎなんですよ。小説で読む分には問題ないんでしょうけど、実際に喋られると無理がある、その辺を作り手側が考えてないんだろうな~と。

最後に、青春映画について。青春映画の主人公って、えらくバイオレントな日常を送ってる事多くありません?この映画もそうだし、「キッズ・リターン」とか「GO」とか「青い春」(これは名作ですが)とか「ドロップ」とか「ボーイズ・オン・ザ・ラン」とか(「クローズ ZERO」までいくと、日本に似たどこか別の世界を描いたファンタジーって事でいいんですが)。バンドものだと途中で絶対殴り合いし出すし。失恋とかで自暴自棄になったキャラは、十中八九酔っぱらって夜の街をほっつき歩いてチンピラと喧嘩し出すし。逆に矢口史靖の作品なんかは、異様に健全な世界観だし(酒・煙草なし、いじめなし、性描写なし)。どっちもリアリティ無さ過ぎで萎えるんですよねー。僕はヤクザが多くてあまり治安のよろしくない地域で育ちましたけど、からまれても暴力沙汰にまで発展した事なんて一度もないですし、周りのヤンキー達でも喧嘩が日常茶飯事なんてありえませんでしたから。もっと普通の若者を描いてくれないかなーと。

以上、長文になったうえに、本文とあんまり関係ないですが、暇な時にでも目を通してくださいな。
ベアール 2011/11/13(Sun)17:39:02 編集
無題

二度目まして!

コメント有難うございます。
いやほんと、声の聞こえない映画って多いんですよねー。
何であんなに人の声だけ小さくするのか不思議なんですけど。
だって他の効果音とかは結構大きかったりするし。

声が聞こえないという話で思い出したんですが、
そういえば黒澤映画も別の意味で聞き取りづらいですね。
リマスター版とか見れば音もクリアになってるのかもしれないので
分からないですが、やっぱり音響技術が今ほど発達していない時代の映画は
黒澤映画に限らず、少なからず聞き取りづらい。
でもやっぱり、一生懸命聞こうとするじゃないですか。
それは何ていうか、まあ映画として面白いからですよね。

だから問題は観客に耳をそばだてさせる力を持ってないってところですよ。なんて言っちゃ身もふたも無いですけどね。
ベアールさんが仰ってる、無駄に暗いとか、技術的な問題が目に付くってのも結局そういう事じゃないかなー。
面白い映画なら「面白いけど無駄に暗い!」じゃなくて「無駄に暗いけど面白い!」ってなるんじゃねーかなと。まあ極論ですけど。

あ、あとえらくバイオレントな日常についてはヤンキー遺伝子(ヤンキー文化に異様に惹かれがちな遺伝子)を持ってる私としては耳が痛い。笑。
「キッズ・リターン」「青い春」「クローズzero」は好きな映画ですね。あ、「パッチギ」も大好き。
でもベアールさんが仰ってる「リアリティの無さ」はそのまま、私自身が感じてる「説得力の無さ」=「つまらなさ」じゃないかなと思います。

あ、でも不自然な台詞についてはほんっとダメですね。
要するに脚本がまずいってことですよね?
脚本のダメさだけは看過出来ないと私も思います。
つまらない脚本から名作は生まれない。
ただ脚本が面白いからといって名作とも限らない。
いやあ面白い映画って難しいっすね!

かんりびと 2011/11/15(Tue)16:56:58 編集
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