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くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされてるのがフロスト役のマイケル・シーンでなくてニクソン役のフランク・ランジェラだったので、 何でかなー普通挑戦者が主役でしょ。と思ってたんだけど
いざ本編を観たら一目瞭然。 どう見てもニクソンが主役でした。


ウォーターゲート事件により全国民からの信頼を失った上に、病気を盾に法による裁きから逃げおおせたニクソン元大統領を相手どり、 バラエティー番組の人気司会者(しかもイギリス人)フロストが挑んだ四日間に渡るインタビューがどのように行われたか。を、 実際の出来事「をもとに」描いた本作。
蓋を開けてみれば、観客の応援を一手に背負うべきフロストは始終押されっぱなし。インタビューの勝敗は置くとしても、それ以外のシーンでもあまり喋らず、ニクソンの言葉には常に相槌。
劇中で言われていたほどには彼の「世渡り上手」「人に好かれる」「プレイボーイ」という人となりが伝わって来なかった。

寧ろ強く感じたのは、彼が派手で賑やかなショウビズ界にいながら、その華やかさを何処か空しいものに感じていること。
それと彼があれほどに貪欲に求め、当時抱えていた仕事(彼はオーストラリア、ロンドンで看板番組を持つ人気司会者だった)、全財産や人望を擲つほど執着していたニクソンとのインタビュー、ひいてはニューヨーク、アメリカにおける成功が、結局のところ彼にとって何であるのか、と問われると言葉に詰まる、という描き方によって浮かび上がる、彼自身も気付いてない内的枯渇である。
その枯渇する理由を、劇中で敵同士であるニクソンがフロスト自身に指摘し、フロストはそれを認めるシーンがある。そのシーンは見ようによってはライバル同士の友情にも似た心の交流とも言えるし、またフロストとニクソンがある意味で非常に似た人間であることを示してもいるというとても重要なシーンなのだが、 どうやらそこらへんはまるまるフィクションであるらしい。
まあハッタリはどうせかますならでかい方が良いと言うから、あれはあれで良いのかもしれない。
劇中での処理のしかたには疑問が残るが(何でニクソンがあの電話での会話を忘れてしまったのかが不明瞭だ(※1))。

とにかく、フロストをやや複雑な人間として描いていたところがやや残念だった。もっと大味で良かったと思う。
多分観客はフロストというキャラクターに、人を食ったトリッキーなお調子者を期待するんじゃなかろうか。
まあ、フロストが悪いんでもマイケル・シーンが悪いんでもなく、ひとえにフランク・ランジェラのニクソンが強すぎたのかもしれない。

あと、結構コミカルで、会話にはいかにもアメリカっぽい軽妙なジョークの応酬が無数にちりばめられていた。これは多分もとが舞台だからだと思う。
観客もくすくす笑っていたし、何だかおっきいリビングで知らない人と海外ドラマを見たかのような一体感。
まあまあ楽しかったです。

つかこの映画にイーサン・ホークが出ていると思いこんでいて、めちゃめちゃ探しちゃったんだけど結局出てないでやんの。何と勘違いしたんだろう。


(※1)でも他のシーンで不意に視界が滲んだりする描写もあったので、ニクソンが何らかの病を抱えていた事を表しているのかも。どっちにしろわかりにくい。
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