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くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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こんなもんが出来ましたぞなもし。

正岡子規(本名:のぼる)は病床で重度の床ずれに苦しんだ。膿んだ患部の包帯を替える際には、その激痛による絶叫が毎日隣家にまで聞こえたと言う。ちなみに当時の子規の隣人は近代ジャーナリズムの先駆者 陸羯南。 






床ずれ という字を見るといつも子規のことを思い出す。
この言葉を使った歌を確か詠んでいたな、と思って探してみたらこんなのが出てきた。


薄衾(うすふすま)堅きが上の床ずれのいたやいたやに選歌忘れゐたり


子規は病床においての視界からはみ出すことなく歌を詠んだ人で、見えるものを過度な想像力で虚飾することなく、かつ躍動的に鮮やかに表現している。それらのイメージは色彩に富み、洗練されたモダンな描線をたたえ、それゆえにまた鮮烈に滲み出る痛みがある。素直な人だったのだろう。
しかしその飄々と、淡々とした佇まいは、激痛、苛立ち、焦燥、悲愴を伴う病床において(特に優れた、若い才能を伴った子規のような人間にとっての「病床」において)無気力、無関心、凪のような穏やかなものを持ち続ける、そんなありようでは決して辿り着ける筈のない境地である。
健康な人間が、健康な両脚で真っ直ぐに身体を支えているのではない。萎えた筋肉と、今にもくずおれそうなすかすかの骨と、ところどころ断絶したずたずたの神経と、ひび割れた皮膚を、修羅道を辿るが如く壮絶な精神力と、並の、五体満足な人間には想像も及ぶまいほどに、貪欲で哀しく、一途な生命力で 成形し、維持し、抗いながら支えているのだ。


考え始めると止まりません。とりあえずここで停止。
床ずれに苦しむ人が世界中から消えてしまいますように。
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