忍者ブログ
くしゃみしたらヘッドホンはずれた
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


そーいえばメッシュって地の色は何なんだろう。かみのけ。
金髪かなー。


モー様祭によせてサイトの方で書いたやつサルベージ。
読み返してみたら冒頭でポーの一族について書いてるつもりでトーマの心臓について語ってる自分がモイキー。てか少しくらい読み返せよ。<自分



そういえば買いましたよ。


 




メッシュゥウウウウ、てかごめん、エドガァアアアアアアアアア(うぉおおおおおおう)メッシュはメッシュでとてもよかったんだけどもやはりこの、敵わないと言いますか。思えば初萩尾は中高一貫だったにも関わらず高2になるまで一言も喋ったことのなかった内田さん(仮名)に借りた「トーマの心臓」でありました。そらもうえらい初体験でビシビシと風圧にも似た感動を受けた次に内田さんから借りたのが「こいつら100%伝説」で脱力しながらも授業中必死で笑いをこらえて読みおおせたのを思い出した。今思えば内田さんの漫画チョイスが神すぎる。まあそれは良い。
メッシュで印象的なのはもちろんあのラストシーンもそうなんですけど、個人的に好きなのは「千の矢」。画家を志す若者のエトゥアールがメッシュを絵のモデルとしてアトリエのある実家に連れて行くところから始まる短編。メッシュ2巻にはミロンがふるさとに帰る「耳をかたむけて」や、メッシュが母親と対峙する「シュールな愛のリアルな死」が掲載されていて、内容的な重点はやはりそちらに置かれているんだろうけど(特に「シュールな愛のリアルな死」は最終話だし)このどちらでもない、言ってみれば小休止みたいな箸休めみたいなポジションにある話がとても良い。エトゥアールの母親・マーレはとても美人で穏やかで、まるで天使みたいで、でも禁じられた恋をしている。旦那(エトゥアールの父)は亡くなっているが、その密かな恋は旦那が生きている頃から既に在ったもので、今もなお進行中の様子。メッシュがその家に滞在している頃、偶然にマーレの恋人であるパスカルが其処を15年ぶりに訪ねてきた所為で、またしてもメッシュは一騒動に巻き込まれるのだが まあそれはともかくとして。
言ってみればマーレは未亡人だし、エトゥアールも良い年なわけで、マーレとパスカルには再婚という手段が、全然普通にあるのだ。実家には口うるさい義姉(どうやら双子)がいるにはいるが、無視出来ない。という程でもないんだし、お互いほんのちょっと思い切ればいくらでも密かな恋をまっとうな愛として、貫く道は用意されているのである。が、マーレはあくまでやんわりとその道を拒む。「だめねわたしって 八方美人ね 自分のいいとこだけ見てたいの」「あなたと結婚したりしたら・・・自己嫌悪にどっぷりひたりそう・・・・・」
ここで「私には家族を捨てることはできない、だって息子に申し訳が立たないわ」とか「夫に顔向け出来ません」とか言わず、あっさり「自分の汚い醜いとこなんて自分自身が耐えらんない。いい子ちゃんでいたい」と断言しちゃうところがこの女の凄いとこだ。恋人の前ではこんなことぶっちゃけておきながら、自分の不義を幼き日の息子が既に知っていたと分かると、息子に涙ぐみながらこう言うのである。


「エトゥー エトゥアール おまえがそんなに・・・・傷ついていたなんて・・・わたしは どこへも行きません ここに残るわ おまえの気持ちを忘れていたわ」
「・・・・パスカルは?」
「パスカルのことは いいのよ」
「ど どう どうして あ あ あんたは あんたが行きたいのなら」
「いいの・・・いいのよ・・・おまえがいやなら」



ここまで聞いてエトゥアールはキレる。私もキレた。息子の事なんて微塵も考えてないくせにまー良く言うわ・・・第一「忘れていたわ」って!!15年もかい!!(裏拳)

エトゥアールの「あんたが行きたいなら・・・」に続くべき言葉は、決して「行っても良いんだよ」じゃあないのである。「好きにすればいいじゃない」・・私がエトゥアールならそう続ける。口調も激しいそれではなく、淡々と。「なんでえ。絶対行った方が良いよ。後悔するって。」みたいな感じかもしれない。 でもマーレは、途中で潰えたエトゥアールの言葉にこう付け加えて解釈した筈なのである。「行きたいのなら・・・行って良いよ。母さんと別れるのは悲しいけど行って良いよ。母さんの幸せは僕の幸せ・・・・」まあこれほどではなくても、ニュアンス的にはこう受け取ったに違いない。違いあるまい。
親子の断絶、というのは萩尾望都が良く描くテーマだけども(ていうか必須かもね)その殆どは報われない、修復しえないまま物語が終わる。お互いの間に溝は残ったけど、それはそれとして。みたいな。なんというか修復とか相互理解ではなく、「認知」といった具合か。親と自分との関係性、その対立、相違を「まあこういうもんもあるよね。仕方ない。」みたいなテイストで理解して次に進む。という。私たちは分かり合えなかったけど、今でもあんたのことは大嫌いだけど、三回くらい生まれ変わってもう一度出会ったら仲良くできるかもね、みたいな。(分かりづらい)そんな中でこの断絶は最も軽い類の断絶だと言って良い。何にしろエトゥアールは想いを母にぶつけ、そして母はそれを受け取り理解したのだから。「出てけ!ぼくのことを口実にぼくをしばるな!好きにすりゃいいんだ!」母にこう言うことができた、言ってあげられたエトゥアールは良い子だ。だからマーレも息子を愛したまま、パスカルの求婚を受け入れることが出来たのである。それは形だけ見てしまえば修復でも相互理解でもなかったかもしれないけど、この親子は確かに分かり合って、お互いに感謝しあって別れたように見えるし だからこそこの物語の最後でエトゥアールもメッシュも(ついでにエトゥアールの彼女も)天使の輪を頭に乗っけているのだろう。大げさではない、ささやかなハッピーエンド。しみじみと良い話である。
それにしてもこの顛末を殆ど目にしていながらエトゥアールの意図を全く理解せず「何でエトゥーはきゅうに怒りだしたんだ せっかくのきみの心くばりを・・・」なんて言ってるパスカルはちょっと馬鹿だ。マーレ男の趣味悪いなー。また離婚して実家に出戻ってきたりしたら、ちょっとマーレのこと好きになれるんだけどな。まあどうでもよいことです。ポーの一族についてはまた今度。


ついき

書きました。
PR
COMMENT FORM
NAME
URL
MAIL
PASS
TITLE
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
TRACKBACK
TRACKBACK URL > 
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
参加しています
モバビス
最新CM
[05/14 Backlinks]
[11/15 かんりびと]
[11/13 ベアール]
[11/10 カンリニン]
[11/08 ベアール]
最新TB
心に本棚を作れ!
メルフォ
アクセス解析
バーコード
忍者ブログ [PR]
"うらもち" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.