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くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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これの続き。続きナリ。




折り良いので先日話した群青学舎 2巻 (2)の話をします。純粋に好きなところを。えーーーーーーーと、今2巻しか手元に無いので2巻の話だけします。1巻の方が割合的に私の好きな話多かったです。でも手元に無い。(いーかげん)


2巻で好きなのは何といっても「ニノンの恋」であります。美しい魔女二人から「ブス」と呼ばれつつ面倒を見てもらってるニノンという名の女の子は、名も知らない一目ぼれした男の子に宛てて毎夜手紙を書いているのだけど 何しろ自分に自信が無いので渡せない。ただひたすら引き出しにプールされていくばかりだったその宛名の無いラブレターを、魔女はその宛先―ニノンが恋した男の子(のポケットの中)へ、強引に送りつけてしまった。無事ニノンはラブレターを回収できるのか、そして恋の行方は?・・・という・・割とっていうかゴリゴリのベタネタ。で、この入江亜季という人の画風がまたベタな話によく似合う絵柄なのです。ちょっと昔の少女漫画といった感じ。でもこの人の絵はちょっとディティールの描き込みが凄いので、背景ひとつで世界を喚起させるというか、ものすごい説得力を持った絵なのですな。だからこそ魔女とか魔法とか、そういった特殊な世界観が浮いてこないんじゃないかと思う。

b21ae139jpegニノンが夜中、机に向かって今度こそ渡すためのラブレターを描くコマがあるんですが、そのコマでニノンは大きな椅子にクッションを二つ重ねて座って、やはり大きな机にしがみついてる。これを見た時はぁああこの人は凄いなあ。と思いました。子供用に小さい椅子を描くのは凄く簡単なことだろうけど、そうじゃないんだろうなあこの人の描きたい世界では。凄いなあ。


あと魔女のキャラクターが良かった。先日私はこの人の描く大人の女が大嫌いだといいましたが、この魔女たちは珍しく好き。きっと意地悪だから良いんだな。私はこの人に魅力的な女性を書かれるとたちまち駄目です。長所と短所が矛盾してんだもの。「北の十剣」の、戦に加わり敵兵を射殺す事も辞さない凛々しい姫は好きな男の前だとモロ乙女で何か萎えた。先日も言ったピンクチョコレートの三也子はマイペースで何考えてるか分かんないのに恋人の春日君に会えないだけで涙するし、しかも会社に押しかけてまで会いに行くし←つか漫画読んでこんな事にイライラすんのは、現実の常識で登場人物の性格を推し量っているようで間違ってるとは自分でも思うけど、別に私はこの行動が非常識だからイラッと来るのではなくこの流れにとてつもない「媚び」を感じたからこそイライラしてるんであって。ってどっちにしても私自身が大人気ないのには変わらないんだけどそんなのは今に始まったことじゃないので良いとして。

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「そこはかとない媚び」の一例。

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この姫はいちいちポーズが自意識過剰なんだがこれは誰のせいなんだろう

何だろう、好きな男に対する時とそれ以外に対する時の態度が違うから腹立つんだろうか。そんなリアルの知り合いにイラッとするような理由で漫画に対してイラッとしたくはないんだが。しかしブスが可愛い。っていうのも考えてみれば少女漫画の王道だなあ。やっぱりちょっと古い人なんだな良い意味で。だから多分これを好きなのは、ちょっと古い漫画も読む人なんじゃないかなあと思うのだ。そういえばニノンはそばかす面の天然パーマであった。うーん 愛すべきベタ。

・・・・は。読み直してみたらやっぱりあんま褒めてない。何でこうなるんだろう・・・しかもこれ読んでない人にはまったく分からない糞レビューというやつでは。いやレビューですらないか・・・思考垂れ流し・・・・?落書き・・・まあ良い。ちょっとでも興味持ったら読んでみるのも良いかもしれません・・・(投げた・・!)


574be70ejpegあ、あと私「続ピンクチョコレート」はあんま好きじゃないけど、その中の一コマで いつの間にかアパートの玄関前で飲み会が始まって、少しずつそこに住人や隣人が集まり大宴会となるくだりの絵があるんですけど それは好きです。大いに盛り上がっている一団、少し離れて酒を飲む人、階段にもたれて花を見上げる人、何だ何だと下を覗く二階の住人・・・・いやあ良いです。この絵は好きです。もうその一団の絵は構図的にちょっと奥まっていて、絵としては殆ど見えないんですが そこがまた不思議と良い。何かね。絵が凄く上手いんでしょうね。というか想像が上手いのかもしれません。人が集まってく過程を想像したりするのが。




3eeaeabdjpegあと、三也子の部屋の絵も凄く良いです。本当にたった今まで、自由奔放なあの女がそこにいたのだ。と思わせるような説得力。つみあがって崩れて稜線を描く本の山。に、寄り添うように敷かれたラグと布団とコーヒーポットとカップを載せたトレイ。これはおそらく、コーヒーを飲みながら床の上で本を読み、やがてそのまま眠るんでしょう。部屋の奥にはどすどすと育っている木。斜め天井はガラス張りなので、きっとよく日の光が当たることでしょう。植物と本に侵食されまくってる三也子の部屋。しかし壁一面はドレッサーで、あふれんばかりに(しかしぞんざいに)収まっている服服服。ドレッサーの上にはこれまたぞんざいに靴やら帽子の箱が積みあがっている。しかし三也子の性格を考えると着道楽とも思えませんが。春日君と付き合うようになってから三也子なりに頑張ってはりきっておしゃれを勉強したとか。(そして買いまくって満足したとか)いやいやいや絵ひとつで考えすぎ。まーこんくらい想像力膨らませる絵だってことですよね。細かいよね。


d3c735e4.jpg絵が上手いといえば、「彼の音楽」という話で舞台になってる高校音楽部がまた凄く上手い。ほんとに凄く上手い。部員たちの練習風景とか、あとあの学校にあった棚にズザーと楽譜が凄いラフに並んでるとこ、床に散らばったプリントにファイルに楽器に・・・取材でも行ったんすか、この一枚を描くために。と聞きたくなる。この凄さ・・・
部員の表情も良いです。最初のほうであの大きい・・・テューバ!(ググった)テューバを吹いてる女の子が出てくるんだけど、その子がまた凄い仏頂面。こう、眉毛が太くて黒い髪で天パで・・・いた!こういう子、いた!音楽部に。しかも確か、この楽器を吹いてたよ!・・・と思わず快哉を上げる程のリアリティ。そうそう。なんだかデカい楽器を扱う人はこういう感じなんだ。逆にスマートな、クラリネットとかバイオリンとか担当の人はスマートでやさしそうだったりして・・・あ、これ偏見ですね。侮辱ですか。いや単なるイメージですよ・・へへ・・。




まあそれにしてもね、こういう上手さをね、ぜひ読んで分かって欲しい。と。そして願わくば私とまったく同じところで快哉を上げてはくれんだろかと。そう願ってこれを書いたわけです。まあ、だから結局好きなんですよ。好きです。分かっていただけましたでしょうか。いただけましたかって、そりゃ、この長文を見りゃどなたさんも一目瞭然だろうとは思うんですが、どうもこうも。まあとにかくちょっと読んでみて下さい。だまされたと思って。私はだましませんが。(サカキバラ・ゴウ風)
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