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くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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弔辞って人文だろうか。
まあ一応文ではあるか。
ということで、話題の「kagerou」がぎっちり平積みになってるのを横目で見ながら
ずっと気になっていた文芸春秋を買ってきた。
読みたかったのは「特別企画 弔辞 劇的な人生に鮮やかな言葉」。
ここ数年で最も騒がれたであろうタモリの赤塚不二夫に捧げる弔辞をはじめとして、
実に45の弔辞が収められている。送る側も送られる側もすさまじいビッグネームばかりで、
大江健三郎から井上ひさしへ、山田太一から寺山修二へ、渡辺淳一から城山三郎へ、など
さすが文芸春秋といった具合。ここでは作家ばかりを挙げたけど、政治家やお笑い、歌舞伎役者など
カテゴリーも多岐にわたる。小栗孝一(馬主)からオグリキャップへ、なんて変り種もあった。

で、もちろん泣ける弔辞もあればいまいち心に響かない弔辞もあるわけですが。
主に政治家さんの政治家さんによる弔辞ってのは、亡くなった方の経歴をつらつら述べるというルールがあるのか何なのか、読んでいて結構飽きちゃうところがありまして(まあ葬式に呼ばれてもいないのに弔辞の内容を覗き込んだ上に飽きるなんてどういう了見だという気もするが)、
そこ行くとやっぱりテレビで喋る仕事をしている人たちは観客を感動させんのが上手いなと感心しました。
タモリ然り上岡龍太郎然り、個人的な故人との思い出に言及しながら亡くなった方の人となりを浮かび上がらせるという、口で言うのは簡単だけどやってみると難しいに違いないこの一事を、
為しえているか否か。がやはりポイントではないかと思う。


上岡龍太郎から横山ノックへ ノーカット


いかにも上岡龍太郎らしい、作り込まれた文章だなあと思う。
しかし横山ノックってそんな人だったのね。と
これを見ていささか驚いてしまった。

この特集を読んでから動画を漁ったのだけど、
一番見たかった「永井一郎(波平の声の人)から高橋和枝(カツオの声の人)へ」が
結局見つけられなかった。
すげー見たい。これ。
絶対泣けるじゃん!


 

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やっと観れた映画について喋らせてくださいよ
ほんとずっと待ってたんだよ私はさあ
ってつもりで書いてたらものすごい遅くなって3ヶ月くらい経っちゃった。
まあ、せっかく書いたんでアップします。



あらすじ

江戸時代末期、明石藩は将軍の弟という立場を傘に着て暴虐の限りを尽くす藩主・松平斉韶の悪政に苦しめられていた。老中土井大炊頭利位はこの状況を鑑み、直参旗本島田新左衛門に斉韶暗殺を命ずる。
新左衛門はこれに加わる刺客達を集め、参勤交代の途中で斉韶らが立ち寄るであろう宿場町・落合宿で待ち伏せし殲滅するという計画を立て始めるのだった。



去年の9月に山形へ一人旅をした際に立ち寄った(というかこれがメインだった)庄内映画村がそりゃもう素晴らしく楽しくてテンションが上がりまくった、という話は確かこのブログでもしたと思う。
映画村の敷地内には4つのオープンセットがあった。宿場町エリア、集落エリア、農村エリア、漁村エリア。
で、その中で一番高い場所にあり、一番私の心を踊らせたのが宿場町エリアだ。


20090721011247.jpg

↑これの背景が宿場町エリア

090920_1031~01.jpg

↑浮かれまくって撮った写メ


ね!!(ハアハア)
既にお得意のネットサーフィンで上の宣材写真を見ていた私は大興奮。
同じもんが立ってるううううう てな具合で私のテンションを天井知らずに引きずり上げた罪な奴。
私が訪れた時にちょうど「こないだ収録終わったばっかりです」といった具合の頃合で
もう地面やら襖やらに血痕がガツガツ残ってたり半壊の建物があったりだったので
「早く観たいなー」とワクワクしながら丸一年ですよ。
その間に同監督の「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲」が撮影されそして上映された時には
驚きを禁じえませんでしたが まあ無事観れて良かった良かった。

で、力作である。
内容としては多少の新しさはあるものの、基本的には非常にクラシカルな作りの時代劇映画といった趣。
特に冒頭、老中土井大炊頭邸の門前で、明石藩江戸家老間宮図書が切腹するシーン。アングルはオリジナルの比率を完全に踏襲しただけあって威厳漂うファーストカットだった。間宮を演じる内野聖陽の壮絶な切腹演技も超ナイス。少々やりすぎのSEと鬼気迫る内野の表情が素敵。

それと、恐らく観た人の心に強く残るであろう、暴君に思うままにされた挙句捨てられた少女の登場シーン。まあ賛否分かれるところだろうけど、私はあのカット大正解だと思っている。三池崇史でなければ入れられなかっただろう衝撃的な暴力を描写してあまりある1カット。

それから、まあ割とはっきり非難されている事が多かったりする「50分の死闘」。間延びしすぎ、とかいくらなんでも長すぎ、とか その意見もまあ何となくわかる事はわかるんですが、いやいやなかなか。

この死闘シーンで描かれるのは、闘いの場として選ばれた落合宿の徹底的な破壊だ。本作では、元々何の変哲も無い宿場町を、新三衛門の指示で刺客達と町民が力を合わせて工夫と技巧を凝らした忍者屋敷的な戦場に変えていく流れを物語の3分の1程度をかけて描いている。
試みに試みを重ね、知恵を出し合い手分けして作り上げる楼閣。それがラストの50分で完膚なきまでに破壊される。
しかし、破壊によってこそ この戦場は初めて完成を見るのである。

それは、十三人の男達についても同じ事が言える。

50分の死闘では、一人一人の死に様が非常に丁寧に描かれる。誰一人欠ける事無く、カメラは彼らを看取るようにその最期の顔を映し出す。死んだ者等が、なぜ死んだのか、どのようにして死んだのかもしっかりと描いている。なぜなら彼らもまた、死によって完成するからである。
落合宿と同じように、侍という生き物の生き様は 死に様を迎える事によって初めて語るべき事となるのだろう。


そして嵐のような時間が過ぎ去った後の、長回しラストシーン。
殺伐とした、痛々しい中に剥き出しのかすかな希望が見えるようなロングカット。

いやあ…私これ好きですね。


1800円、或いは1000円(レディースデイ)、あるいは1300円(前売り券)払って、上映時間調べて、映画館行って映画を観る、という その一連の作業およびコストに見合う映画と見合わない映画があるとして、「損したあああ」と言える映画は意外とあるもんだけど、その逆、つまり「観て損は無い!」と思わせる映画ってのは驚くほど無いもんである。
それが知人・友人に対して「損は無いよ!」と自信を持って言えるかどうかとなるとなおのこと。そんな中で全く久しぶりに、誰に対しても「絶対損は無い」と請け負える映画を観たなあ。
ということで、私は浮かれております。
浮かれ過ぎてどう表現して良いかわからず、感想を書きあぐねている内にロードショーは終わってしまったけど(役立たず)
まあDVDかなんかで観てください。
スクリーンで観るべき映画だと思うけど。
観損ねた人は悔しがってくれ。
自業自得だ。(!!)


映画賞を取ろうが取るまいが、私はこの映画が
2010年度最高の日本映画だと信じております。
自信を持って、お勧めです。


関連エントリ

監督について

三池祭第一夜 「極道恐怖大劇場 牛頭」
三池祭第二夜 「大阪最強伝説 喧嘩の花道」
三池祭第三夜 「龍が如く 劇場版」
三池祭第四夜 「 DEAD.OR.ALIVE2~逃亡者」
三池祭最終夜 「オーディション」



まー行く年来る年でござーますが
折りも折なので
今年封切された作品で
観たやつをピックアップしてみた。

封切日順(複数回見たものは末尾に回数を表記、観てる途中で寝たやつは(寝)と表記)

(500)日のサマー
キャピタリズム
かいじゅうたちのいるところ
Drパルナサスの鏡(2)
ラブリーボーン
パラノーマル・アクティビティ
イエローキッド
インビクタス
処刑山―デッド・スノウ
コララインとボタンの魔女
しあわせの隠れ場所
渇き
ハート・ロッカー
シャーロック・ホームズ
フィリップ、きみを愛してる!
マイレージ、マイライフ
第9地区(寝)
17歳の肖像
プレシャス
川の底からこんにちは
冷たい雨に撃て 約束の銃弾を
ローラーガールズ・ダイアリー
パーマネント野ばら
BOX 袴田事件 命とは
ヒーローショー
シーサイドモーテル
告白(2)
アイアンマン2(寝)
アウトレイジ
ねこタクシー
クレイジー・ハート
ダブル・ミッション
ザ・ウォーカー(寝)
さんかく
踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!
ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
ぼくのエリ 200歳の少女
トイ・ストーリー3
借りぐらしのアリエッティ
インセプション(3)
ゾンビーランド
ちょんまげぷりん
ソルト(寝)
特攻野郎Aチーム(寝)
BECK
ミックマック
オカンの嫁入り
悪人
十三人の刺客(4)
大奥
乱暴と待機
エクスペンダブルズ(寝)
義兄弟(寝)
黒く濁る村
武士の家計簿


総計    55本
寝た数    7本

本数、少な!
DVDで観たのも入れてこの本数ですよ…
確実に減っている…
あと寝すぎ(前から)。
「ソルト」とかはともかく
「第9地区」でガン寝とか…
あ、でも後からDVDで再鑑賞したよ。勿体無いから。

とりとめもなくリストアップしてしまったので
勢いでベスト10とか決めようと思う。
出立前に。

ワーストは踊るか大奥のどっちかです。
決まりきっていてつまんないな!


**********追記************
2009年は86本でした。
おお…ほぼ半減…

2009観たやつリスト

ヘルボーイ・ゴールデンアーミー
チェ 28歳の革命(寝)
大阪ハムレット
007慰めの報酬(寝)
誰も守ってくれない
愛のむきだし
ベンジャミン・バトン 数奇な人生(寝)
チェンジリング
ダウト~あるカトリック学校で
ヤッターマン
ゼラチンシルバーLOVE
ドラゴンボールエボリューション(寝)
SR サイタマノラッパー
イエスマン
フィッシュストーリー
マーリー
フロスト×ニクソン
ウォッチメン
鑑識・米沢守の事件簿
ザ・バンク―堕ちた巨像―
レッドクリフPart2
クローズzero2(2)
ミルク
スラムドッグ$ミリオネア
鴨川ホルモー
バーン・アフター・リーディング
グラン・トリノ
チェイサー
チョコレート・ファイター
スター・トレック
ラスト・ブラッド
ROOKIES 卒業
ハゲタカ
ターミネーター4
マン・オン・ワイヤー
レスラー
トランスフォーマー・リベンジ
いけちゃんとぼく
剣岳
それでも恋するバルセロナ
ディア・ドクター
エヴァンゲリオン新劇場版:破(2)
MW(2)
ノウイング
サンシャイン・クリーニング
アマルフィ
サマーウォーズ
ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式
G.Iジョー(寝)
HACHI 約束の犬
3時10分、決断のとき(寝)
南極料理人
30デイズナイト(寝)
96時間(寝)
グッド・バッド・ウィアード
BALLAD 名もなき恋のうた
しんぼる
火天の城
TAJOUMARU
ドゥームズデイ
くもりときどきミートボール
カムイ外伝
SING FOR DARFUR
私の中のあなた
ヴィヨンの妻
エスター
カイジ
クヒオ大佐
ファイナルデッドサーキット
沈まぬ太陽
パイレーツ・ロック
MJ this is it
母なる照明
サイドウェイズ
風が強く吹いている
スペル
大洗にも星はふるなり
脳内ニューヨーク
零の焦点
イングロリアスバスターズ
戦場でワルツを
カールじいさんの空飛ぶ家
パブリック・エネミーズ
レイトン教授と永遠の歌姫
蘇りの血
アバター



年の瀬!!



御無沙汰したままに年が暮れ行こうとしております。
明日から来年の5日ごろまで留守にしますので、
年賀状はいただいた方に7日以降お返しします。
年始から不義理この上ない私ですが
どうぞ今後とも宜しくオーライ。
良いお年を!!





いやー。疲れた。
疲れました。
まー仕事だけど
仕事以外にもっとほら!
あるでしょそういうの!
旅行とか買い物とか!


映画とか!!


ということで昨日は仕事を打ち捨てて映画を観て来ました。
これです。



武士の家計簿



加賀藩御算用係猪山直之は、刀はからっきしだがそろばんを弾く事においては右に出る者のいないそろばん侍。
帳簿の数字が合わないと気になって仕方がない。
そんな直之が息子元服の際祝宴を設けるという段になって、
猪山家の経済状態が逼迫している事に気付く。
いつの間にやら自分と父の禄を合わせた額の2倍に膨れ上がっていた借金を完済すべく、
直之は一から返済計画を立て始めるのだが…


てなあれこれ。
前作の「わたし出すわ」があまりにも世間に何事の波も立てず興行が始まりそして終わっていったのとは対照的に、結構強気に予告もバシバシ流されている本作。
ここんとこの時代劇ブームに上手く乗りながら、チャンバラでもなく恋愛でもなくトンデモでもない、手堅いホームドラマといった趣で他作品との差別化に成功していると見て良いと思う。
森田フィルモグラフィを網羅しているとはとてもじゃないが言えない私だが、一番上(家族ゲーム)とそこそこのところ(39、ハル、それから)と恐らくかなり下の方(模倣犯)を観た上で何となくの把握は出来ている。と自分では思っている。
「椿三十郎」は前評判ですさまじい拒否反応を示した人たちもいたけど、何だかんだでそこそこに面白かったという地味な高評価を耳にしたが、まあこれはオリジナルの勝利というか。
ちょっと観てみたいんだけど、どうせオリジナルより面白いってことは無いだろうし微妙なところだ。
あ、あと「キッチン」は私すっごい嫌いなんだけどこれは多分元々原作が吉本=七光り=ばななだからなので除外。


そんなこんなで総合すると、「嫌いじゃない」エリアに分類される監督ではある。

で、今回は手堅い原作を選んでほんのりハートウォーミングな作品に仕上げたって感じでなかなか良かったです。


恐らく原作は実在する家計簿をもとに武士の生活を紐解くといったいわば研究書的な書物だったんじゃないかと思うんだけど、
映画はきちんと映画で、ちゃんと「映画に起こした」って感じがありました。


あと直之のとっつきにくさは良いですねー。
息子の目から見た彼はかなり冷たい父親なわけで。
まあ多かれ少なかれ父親ってこんなもんじゃないかなと思うけど、更に直之は幼い子に家計簿を付けさせ、一家の買い物一切を任せるくらい自分の仕事(算用係)を継がせる気満々なわけで。
このめんどくささは単なる父親の比ではない。

ある日父は家計簿の記述に間違いがあると指摘した。財布の中にあるべき小銭がない。
実は朝に小銭をばらまいてしまった。一生懸命探したがどうしても一枚見当たらない。
そう白状した息子に父は、見つかるまで探せと言った。
その日は雨で、息子は傘もささずに父の言いつけを守りひたすら地面にはいつくばって小銭を探したが、結局見つからなかった。

後日、父が家計簿を見ると不足していた小銭が補填されている。
これはどうしたのかと聞かれた息子は、川べりで拾ったと言った。
では、と父はその硬貨を息子に渡しこう言った。
ではこれを拾った場所に戻して来なさい。


父親は息子に、算盤と家計簿を通して、帳尻を合わせるだけでは駄目なのだと伝えたかったのだ。
しかし幼い息子には伝わらない。
彼の目に父は心の冷たい理屈ばかりの人間にしか見えない。
父の思いを、生き方を息子が知るのは、もっともっと後の事だ。


父と子の間に生じた亀裂が、ゆっくりと 時間を塗り込められて埋まって行く。
その末にある親子のラストシーン。


「可哀想な事をした」


しみじみと泣ける良い終わりでした。
あと付け足しみたいになったけど、松坂慶子や中村雅俊、草笛光子に西村雅彦などのキャストがとても良かった。


いつの世も清貧に耐える人等のつつましい幸せは微笑ましいものだ。
よし貯蓄しよう!とモチベーション上げたいあなたに。
オススメです!




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