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くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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やっと観れた映画について喋らせてくださいよ
ほんとずっと待ってたんだよ私はさあ
ってつもりで書いてたらものすごい遅くなって3ヶ月くらい経っちゃった。
まあ、せっかく書いたんでアップします。



あらすじ

江戸時代末期、明石藩は将軍の弟という立場を傘に着て暴虐の限りを尽くす藩主・松平斉韶の悪政に苦しめられていた。老中土井大炊頭利位はこの状況を鑑み、直参旗本島田新左衛門に斉韶暗殺を命ずる。
新左衛門はこれに加わる刺客達を集め、参勤交代の途中で斉韶らが立ち寄るであろう宿場町・落合宿で待ち伏せし殲滅するという計画を立て始めるのだった。



去年の9月に山形へ一人旅をした際に立ち寄った(というかこれがメインだった)庄内映画村がそりゃもう素晴らしく楽しくてテンションが上がりまくった、という話は確かこのブログでもしたと思う。
映画村の敷地内には4つのオープンセットがあった。宿場町エリア、集落エリア、農村エリア、漁村エリア。
で、その中で一番高い場所にあり、一番私の心を踊らせたのが宿場町エリアだ。


20090721011247.jpg

↑これの背景が宿場町エリア

090920_1031~01.jpg

↑浮かれまくって撮った写メ


ね!!(ハアハア)
既にお得意のネットサーフィンで上の宣材写真を見ていた私は大興奮。
同じもんが立ってるううううう てな具合で私のテンションを天井知らずに引きずり上げた罪な奴。
私が訪れた時にちょうど「こないだ収録終わったばっかりです」といった具合の頃合で
もう地面やら襖やらに血痕がガツガツ残ってたり半壊の建物があったりだったので
「早く観たいなー」とワクワクしながら丸一年ですよ。
その間に同監督の「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲」が撮影されそして上映された時には
驚きを禁じえませんでしたが まあ無事観れて良かった良かった。

で、力作である。
内容としては多少の新しさはあるものの、基本的には非常にクラシカルな作りの時代劇映画といった趣。
特に冒頭、老中土井大炊頭邸の門前で、明石藩江戸家老間宮図書が切腹するシーン。アングルはオリジナルの比率を完全に踏襲しただけあって威厳漂うファーストカットだった。間宮を演じる内野聖陽の壮絶な切腹演技も超ナイス。少々やりすぎのSEと鬼気迫る内野の表情が素敵。

それと、恐らく観た人の心に強く残るであろう、暴君に思うままにされた挙句捨てられた少女の登場シーン。まあ賛否分かれるところだろうけど、私はあのカット大正解だと思っている。三池崇史でなければ入れられなかっただろう衝撃的な暴力を描写してあまりある1カット。

それから、まあ割とはっきり非難されている事が多かったりする「50分の死闘」。間延びしすぎ、とかいくらなんでも長すぎ、とか その意見もまあ何となくわかる事はわかるんですが、いやいやなかなか。

この死闘シーンで描かれるのは、闘いの場として選ばれた落合宿の徹底的な破壊だ。本作では、元々何の変哲も無い宿場町を、新三衛門の指示で刺客達と町民が力を合わせて工夫と技巧を凝らした忍者屋敷的な戦場に変えていく流れを物語の3分の1程度をかけて描いている。
試みに試みを重ね、知恵を出し合い手分けして作り上げる楼閣。それがラストの50分で完膚なきまでに破壊される。
しかし、破壊によってこそ この戦場は初めて完成を見るのである。

それは、十三人の男達についても同じ事が言える。

50分の死闘では、一人一人の死に様が非常に丁寧に描かれる。誰一人欠ける事無く、カメラは彼らを看取るようにその最期の顔を映し出す。死んだ者等が、なぜ死んだのか、どのようにして死んだのかもしっかりと描いている。なぜなら彼らもまた、死によって完成するからである。
落合宿と同じように、侍という生き物の生き様は 死に様を迎える事によって初めて語るべき事となるのだろう。


そして嵐のような時間が過ぎ去った後の、長回しラストシーン。
殺伐とした、痛々しい中に剥き出しのかすかな希望が見えるようなロングカット。

いやあ…私これ好きですね。


1800円、或いは1000円(レディースデイ)、あるいは1300円(前売り券)払って、上映時間調べて、映画館行って映画を観る、という その一連の作業およびコストに見合う映画と見合わない映画があるとして、「損したあああ」と言える映画は意外とあるもんだけど、その逆、つまり「観て損は無い!」と思わせる映画ってのは驚くほど無いもんである。
それが知人・友人に対して「損は無いよ!」と自信を持って言えるかどうかとなるとなおのこと。そんな中で全く久しぶりに、誰に対しても「絶対損は無い」と請け負える映画を観たなあ。
ということで、私は浮かれております。
浮かれ過ぎてどう表現して良いかわからず、感想を書きあぐねている内にロードショーは終わってしまったけど(役立たず)
まあDVDかなんかで観てください。
スクリーンで観るべき映画だと思うけど。
観損ねた人は悔しがってくれ。
自業自得だ。(!!)


映画賞を取ろうが取るまいが、私はこの映画が
2010年度最高の日本映画だと信じております。
自信を持って、お勧めです。


関連エントリ

監督について

三池祭第一夜 「極道恐怖大劇場 牛頭」
三池祭第二夜 「大阪最強伝説 喧嘩の花道」
三池祭第三夜 「龍が如く 劇場版」
三池祭第四夜 「 DEAD.OR.ALIVE2~逃亡者」
三池祭最終夜 「オーディション」

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