くしゃみしたらヘッドホンはずれた
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
先日書いた「CHAPTER 27」と「ジョン・レノンを撃った男」。
両方観たので、軽い違いをちょこちょこと思い出しつつ書いて行こうかなと。いうことで。
つってもまーこの映画たちあまり内容について語ること無いんですけど。
実話だし。
言及すべきは、この二つの映画。いずれも同じ実在の人物を主人公にしているという点を抜きにしても、
とにかく頭のてっぺんからつまさきまであまりにも被ってしまっているということだ。
あるいはどっちかがどっちかを模倣した結果かもしんないけど だとしたらこの試みは完全に失敗。
この二本の映画の原作は、「ジョン・レノンを殺した男」。著者は、今現在も服役中のマーク・デイヴィッド・チャップマン本人に200時間超のインタビューを挑んだらしい。確かにそれだけでもかなり魅力的な本だなってのは分かるが、だからって同時にこれを原作にして映画を撮らんでも…(同時かは知らんけど)
ちなみに「CHAPTER 27」はカナダ、「ジョン・レノンを撃った男」はイギリスの映画だそうです。
あともう一点、決定的に被ってしまっているのが、両作品とも「リアリティー」を売りにしている点。
実際に起こったこと、実際にチャップマンが口にした言葉、起こした行動、全てをなぞるようにして作り上げられているという点だ。
唯一違うのは、「CHAPTER 27」がほぼ ジョン・レノンの住んでいた建物であり、事件が起こった現場でもあるニューヨークのダコタ・ハウス付近で起こった出来事についてのみ触れられているのに対し、「ジョン・レノンを撃った男」では、チャップマンがいかにしてホノルルからニューヨークへ向かい、ジョン・レノンを殺し、そして逮捕されたかについて まんべんなく語っているという、いわば映画としての尺である。
この点から言えば、「ジョン・レノンを撃った男」の方が、状況を把握し理解を深める上では優勢だと言えるかもしれない。
しかしいずれにしろ、どちらの、或いは両方の作品を鑑賞したところで、
「要するに、結局なんでこんなことしたわけ?」
という、この事件を耳にした人間が全員思い浮かべるであろう第一の疑問については結局触れられる事は無いのだ。
それはドキュメントだから、ではない。
殺害犯が精神異常者だからでもない。
リアリティーを重視するあまり、「(劇中の)チャップマンの言葉は彼自身が語ったものである」と映画の最初に明記してしまったからだ。
(これは「ジョン・レノンを撃った男」の話だが、見た限り「CHAPTER 27」とこの映画は台詞レベルで被っていたし、どちらかがどちらかに対して真新しい展開を見せたことも殆ど無かったので同じようなコンセプトのもと映画を撮っていると推察される)
「実際に起こったことを描く」ということはつまり
「実際に起こらなかった事は描けない。」ということである。
それゆえにこの2作品には、状況や心情を有効に視聴者へ説明しうる類のモノローグがほぼ無いに等しい。
どの説明も描写も、あまりに漠然としすぎているし、突拍子が無く、意味不明である。
ちなみに説明不足を映像美で補おうとしたのか、「ジョン・レノンを撃った男」の方はPV的発想のガチャガチャしたお洒落映像技術を駆使しており、一層惨めだ。(個人的意見)
なぜ、モノローグが意味を成さないのか。
それはそれらのモノローグが「実際のチャップマンが語ったことのみ」だからだ。
彼は精神異常者だ。
そうでなくたって、当事者の語る「事実」がいかに狭量でいびつかは 何事に限らず想像に難くないものである。
それが殺人事件ならなおのことだ。
要するに、これらの映画のうちどちらか、あるいは両方を見る人間は 85分(CHAPTER 27)あるいは115分(ジョン・レノンを撃った男)、またあるいは200分(両方)を「精神疾患を抱えた殺人犯の思い出話」に捧げねばならないわけだ。
とはいえ、この事件に興味を持つ人なら 決してそれは退屈な時間ではないだろう。
あくまでこれはドキュメントだから、NHKアーカイブスでも見るような気持ちで見れば良いのである。
ただそこに 映画としての美しさは無いように感じたが。
ちなみにどっちを見れば良い?との質問には答えかねる。
個人的に言えば「どっちもお勧めしない。」だけど
事件前後の状況を詳しく知りたいなら「ジョン・レノンを撃った男」。
あまり時間が無い、もしくはリンゼイ・ローハンのファン、もしくはこないだまでキャメロン・ディアスと付き合ってた若い俳優がどんな人だったか知りたい人には「CHAPTER 27」をお勧めする。
でも劇中での彼(ジャレッド・レト)は役作りのため20kg前後太ってる彼なので、キャメロンと付き合ってた頃とはビジュアル全然違います。
あとどーでもいーんだけどキャメロンとの破局後、スカーレット・ヨハンソンと付き合ってたそうです。
ってほんとどーでもいーわ。
PR
COMMENT FORM
COMMENT