くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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久方ぶりの更新!てほど!では!ない!いやールーキーズの後に口直し的な意味で見てばっちり面白かった「おろち」についても書きたかったんですが書いてないし…しかし最新記事がルーキーズって…最近は見事に邦画ばっか観てるなあ。
昨日飲んで帰って来て寄ったWAM(近所のレンタル屋さん)で借りてきて、そのまんま風呂でキリの良いとこまで観よう。と思ってたらあれよあれよのうちに最後まで観てしまった。
友人曰く 「これで井筒監督はいつ死んでも大丈夫」。勝手に死なすな。としか思ってませんでしたが、いざ観てみて納得。堂々たる代表作です。
舞台は1960年代後半の京都。在日朝鮮人の女の子に一目惚れした主人公は、彼女と距離を縮めていく過程で日本人と在日の間にある歴史的因縁に触れていく。
社会のタブーと言われる問題に切り込みながらも、あくまでエンターテイメントとして楽しく、観客を笑わせ、泣かせる。これは映画の理想的な形の一つだと思う。
以前どこかで言ったかもしれないが、日本という国は内戦の火種とされるような要素の極端に少ない国だ。基本的に信仰心は淡白だし、種族間のいさかいも殆んど無い。農耕民族ゆえか性格も温厚で激するところ少なく、良く言えば穏やか。悪く言えば事なかれ主義。
そんな国が内包する数少ない火種の内の一つ、「在日朝鮮人問題」を真正面から扱った本作。やはり内容からいって多少の説教臭さが入るのは致し方無いんだけど、そんなもんを吹き飛ばしてあまりある勢いを有しているのが、朝高(朝鮮高校)の学生らと地元・京都の高校生が繰り広げる喧嘩シーン。街中で、ボウリング場で、スナックで 顔を合わせれば殴り合い、飛び蹴り食らわしてパッチギ(頭突き)をかます。
自分自身の、決して幸せとは言えない境遇を笑い飛ばすかのように、縦横無尽に暴れまわる彼らが、何と魅力的に映る事か。やってることはただの(それも相当痛そうな)喧嘩なのに、この清々しさは間違いなく、若い俳優たちの瑞々しい演技によるものだろう。
朝高の頭、アンソンを演じる高岡蒼甫に、相棒役の波岡一喜。ライバル校の切り込み隊長は桐谷健太。
また主人公の塩谷瞬、親友を演じる小出恵介、主人公が一目惚れする在日の少女は当時新人の沢尻エリカ。アンソンに仄かな恋心を寄せる真木ようこも良い味を出している。
誰もかも皆素晴らしい。
彼らの構築した世界観には、実際に生活している人間たちの匂いさえ感じられる。演技力もさることながら、井筒監督の的確なディレクションの賜物だろう。
翻ってこの作品のテーマはと言うと、私見では劇中で在日一世の男が主人公に向けた一言に尽きるのではないかと思う。
主人公が親しくしていた少年の葬儀での言葉だ。彼は主人公に、いかに自分たち在日朝鮮人が酷い目に遭ったか、唐突に70万人もの朝鮮人が、日本まで連れてこられた挙げ句に劣悪な環境での生活を強いられ、厳しい労働環境に置かれているか、を語った上でこう語る。
「お前たち、日本人のガキは 教えてやらんと、何も知らんままやろう。…バカタレが。お前らとわしらは、違うんぞ。」
これが本作の基盤を支えるテーマなればこそ、多少の説教臭さにも納得が行くというものだ。
そして実際その通り。事なかれ主義の日本人は、自国の歴史に複雑に絡み合っていて、今現在も根深く残っている問題にすら無頓着だ。私含め。
その意味で、本作は確かな意義を持った映画と言えるだろう。
恐らく思想の偏りや偏見も大いにあるのだろうが、戦後の日本に生きる者としては、今この時代に見るべき、素晴らしい映画だと思う。とにかく見てみて!これを見た女子はもれなくアンソンの男っぷりにメロメロになること必至!
げっ
超安いじゃん…
買っちゃいそうだなあ…
関連エントリ
音楽も良いよ!!
→映画音楽って素敵やん?
若き日のアンソンはインテリ系眼鏡っ子(ただし偏差値は低い)でした
→やっぱ良いわ 「青い春」
舞台が1968年だろうが2006年だろうがやってることは一緒なのね
→偉さうな事を言ふのはやめやう 「クローズZEROⅡ」
今思うとパッチギメンバー勢ぞろいですね
→役者に罪は無い…「ROOKIES 卒業」
井筒監督の最新作はこちら(disってます)
→おお どうしたことだ 「ヒーローショー」
昨日飲んで帰って来て寄ったWAM(近所のレンタル屋さん)で借りてきて、そのまんま風呂でキリの良いとこまで観よう。と思ってたらあれよあれよのうちに最後まで観てしまった。
友人曰く 「これで井筒監督はいつ死んでも大丈夫」。勝手に死なすな。としか思ってませんでしたが、いざ観てみて納得。堂々たる代表作です。
舞台は1960年代後半の京都。在日朝鮮人の女の子に一目惚れした主人公は、彼女と距離を縮めていく過程で日本人と在日の間にある歴史的因縁に触れていく。
社会のタブーと言われる問題に切り込みながらも、あくまでエンターテイメントとして楽しく、観客を笑わせ、泣かせる。これは映画の理想的な形の一つだと思う。
以前どこかで言ったかもしれないが、日本という国は内戦の火種とされるような要素の極端に少ない国だ。基本的に信仰心は淡白だし、種族間のいさかいも殆んど無い。農耕民族ゆえか性格も温厚で激するところ少なく、良く言えば穏やか。悪く言えば事なかれ主義。
そんな国が内包する数少ない火種の内の一つ、「在日朝鮮人問題」を真正面から扱った本作。やはり内容からいって多少の説教臭さが入るのは致し方無いんだけど、そんなもんを吹き飛ばしてあまりある勢いを有しているのが、朝高(朝鮮高校)の学生らと地元・京都の高校生が繰り広げる喧嘩シーン。街中で、ボウリング場で、スナックで 顔を合わせれば殴り合い、飛び蹴り食らわしてパッチギ(頭突き)をかます。
自分自身の、決して幸せとは言えない境遇を笑い飛ばすかのように、縦横無尽に暴れまわる彼らが、何と魅力的に映る事か。やってることはただの(それも相当痛そうな)喧嘩なのに、この清々しさは間違いなく、若い俳優たちの瑞々しい演技によるものだろう。
朝高の頭、アンソンを演じる高岡蒼甫に、相棒役の波岡一喜。ライバル校の切り込み隊長は桐谷健太。
また主人公の塩谷瞬、親友を演じる小出恵介、主人公が一目惚れする在日の少女は当時新人の沢尻エリカ。アンソンに仄かな恋心を寄せる真木ようこも良い味を出している。
誰もかも皆素晴らしい。
彼らの構築した世界観には、実際に生活している人間たちの匂いさえ感じられる。演技力もさることながら、井筒監督の的確なディレクションの賜物だろう。
翻ってこの作品のテーマはと言うと、私見では劇中で在日一世の男が主人公に向けた一言に尽きるのではないかと思う。
主人公が親しくしていた少年の葬儀での言葉だ。彼は主人公に、いかに自分たち在日朝鮮人が酷い目に遭ったか、唐突に70万人もの朝鮮人が、日本まで連れてこられた挙げ句に劣悪な環境での生活を強いられ、厳しい労働環境に置かれているか、を語った上でこう語る。
「お前たち、日本人のガキは 教えてやらんと、何も知らんままやろう。…バカタレが。お前らとわしらは、違うんぞ。」
これが本作の基盤を支えるテーマなればこそ、多少の説教臭さにも納得が行くというものだ。
そして実際その通り。事なかれ主義の日本人は、自国の歴史に複雑に絡み合っていて、今現在も根深く残っている問題にすら無頓着だ。私含め。
その意味で、本作は確かな意義を持った映画と言えるだろう。
恐らく思想の偏りや偏見も大いにあるのだろうが、戦後の日本に生きる者としては、今この時代に見るべき、素晴らしい映画だと思う。とにかく見てみて!これを見た女子はもれなくアンソンの男っぷりにメロメロになること必至!
げっ
超安いじゃん…
買っちゃいそうだなあ…
関連エントリ
音楽も良いよ!!
→映画音楽って素敵やん?
若き日のアンソンはインテリ系眼鏡っ子(ただし偏差値は低い)でした
→やっぱ良いわ 「青い春」
舞台が1968年だろうが2006年だろうがやってることは一緒なのね
→偉さうな事を言ふのはやめやう 「クローズZEROⅡ」
今思うとパッチギメンバー勢ぞろいですね
→役者に罪は無い…「ROOKIES 卒業」
井筒監督の最新作はこちら(disってます)
→おお どうしたことだ 「ヒーローショー」
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