くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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二次創作物という言葉は著作権法上で使われている言葉ではないが
一応広く認知されている用語としてここで使う。
二次創作物と二次的著作物の違いは、原著作者の許可を得ているかいないかである。
許可を得ていないものが前者で、俗に言う同人誌などの「パロディ」であり、許可を得たものが後者。あらゆる原著作を基盤とした映画化やドラマ化、アニメ化漫画化などを指して使われる。
で、ろくにこの事に関して知識も無い私が悪びれずwikipediaを引用してみると(出典も明記してあることだし)
前者(二次創作物)はさらに4つに分類することができる。らしい。
- 著作物そのままを用いた作品(複製権の侵害)
- 著作物を改変しているが創作性が認められない作品(複製権+同一性保持権の侵害)
- 著作物を改変しており創作性が認められる作品(翻案権+同一性保持権の侵害)
- 著作物を改変し創作性が認められ、原作の本質的特徴を失っている作品(別個の著作物とみなされるため合法)
「原作の本質的特徴」ってのもずいぶん分かりにくい話だな、というのはともかく
二次的著作物と二次創作物を分ける上で問題になるのは法律的な点のみであって
当然のことながらそれぞれの作品的価値、については不問とされているということで
要するに面白いかつまらないかは二次的著作物と二次創作物の相違点には関係しないわけ。
面白くてもつまんなくても原著作者の許諾を得ていれば二次的著作物。
優れていても劣っていても許諾を得ておらず、また原作の本質的特徴を保持していたらそれは違法の二次創作物。
んで、まあそれは我々は一般読者なので面白いかつまんないかで物事を判断しようとするけどもさ。
それを作り出す人たちにはそんな事気にせずに、もっとあざとく
「原作者の許可取って作ってる俺たちに何か文句でもあるわけ?」
っていう志でやってほしかったかもしんない
(以前私がアップしたエントリといささか矛盾してるかもしんない)
なーーーーーーーーーーーー
っていうのが感想です。
簡単に言うとこの小説を読んでの印象は
二次創作物になってしまう事を極度に恐れた結果作り出された二次的著作物
って感じ。
あまりにも当たり障りの無い内容で
ちょっと…何て言ったら良いんでしょうか。
食い足りない…
というのが正直な感想です。
この小説版では原作がドイツのギムナジウムを舞台にした物語であるところを、戦前だか戦時中の日本における寄宿舎(多分大学の)に舞台を変えて描かれているんだけど、これがまたびっくりする程「いつ頃の、日本の何処らへんなのか」ってのが分からない。あと登場人物の人となりも全く分からない。
メインキャラクターのトーマ、ユーリ、エーリク、オスカーはもれなく出てくるし、名前も一緒なんだけどどうも違和感が拭えずに読み進めた。
…日本が舞台なのに名前が一緒?って思いましたか?
そうなんです一緒なんです。正確に言うとこれらはワーグナ教授が生徒達につけた渾名だという設定なのだね。そうかだからドイツ語なんだね!ってあほかーーーーーーーーーーーー
森先生それはちょっと無理が!ええい離せ!こうだと言ったらこうなのだ!
というやりとりが編集者と作家しぇんしぇいの間であったかどうかはともかく(ねーけど)
…いやあ 読んでいて分かったのはですね。
きっと森博嗣って人はほんとに「トーマの心臓」が大好きなんだろうなあってことです。
おそらくあの世界観や人物設定、交わす会話や挿入される詩的モノローグ、作品を構成する全てが好き過ぎて、好きすぎるが故に、自分の著作がその雰囲気を壊すのが怖かったんじゃないかなと思うんですよね。
んでおっかなびっくり書きすすめたんじゃないか。なあ。どうかなあ。いや分かんないけどね作家さんが何を考えて書いてるかなんてさ。
んでさっきも言ったとおり、驚くほどこの物語がどんな舞台で、どんな登場人物によって作られるお話なのかが全く見えてこない。萩尾望都の漫画ってのは、玩具箱みたいにあらゆるガジェットが挿入されているという印象が私の中にはありまして。例えばポエムのようなモノローグだったり、美味しそうなお菓子やお茶や食べ物だったり地名だったり、マザーグースの詩だったり。
その細部がいかにも可愛くて洒脱で、そこが萩尾望都漫画の魅力なんじゃないかと思うんだけど。垢抜けてるというか。
それと登場人物が良く旅をしているのも印象的だったりする。「ポーの一族」はある種旅行記みたいなもんだし、「残酷な神が支配する」でも互いの仲を修復するためにイアンがジェルミとサイクリングの旅を提案していた。
私が考える中で、萩尾望都作品の非常に印象的な特徴としては、登場人物たちがどこで、何をしているのか。あるいはどんな文化に囲まれて生活しているのか、を丁寧に描きだすという点がまずあるわけで その点について言うと小説版「トーマの心臓」は、登場人物達を取り囲む世界があまりにも曖昧でぼんやりとしていた。
もっと背景や世界観を詳細に作り込んでいたなら、原作と小説版との相違点ももっと鮮明に浮かび上がり、小説版の独自性もはっきりしたのではないかと思う。
でも、あれですよね。
この企画、何て言うかあまりにも読者の期待を煽り過ぎたんじゃないかと思いますよ。
だって今更、かの名作「トーマの心臓」を小説化するなんて、あんまりにも思わせぶりなニュースだし。
こんなビッグタイトルを小説にするってことは、そこに物凄い意味が無いと実現するわけがない!
というか もっとこう、斬新に「トーマの心臓」を調理し直したに違いない、そうじゃないと今出版する意味なんてないもん!
って思っちゃいますよ。読者的に。
ほんとにただ小説化しただけなんだもんなあ…しかもサンマのあぶらをそぎ落とすような調理法。
あーあ何か野暮ったいなあ。と思いつつハードカバーひっくり返したら
「ダヴィンチブックス」の文字が。
…ああ…またあの会社か…と納得して本を閉じました。
何度も言うように私は森さんの小説を読んだ事がないのであれなんですけど。
発表から何十年も経った名作を今あえて小説化するというのなら。
なおかつ著作者からきっかり許可を取っての企画だと仰るなら。
もっとどっかりと腰を据えて、偏執的な愛を存分に注いだ作品にしていただきたかったです。
この小説取り澄ましててつまんない。
要するにこの一言が私の感想です。
関連エントリ
初めてこのニュースを聞いた時の言い草
→なぜ今更… 「トーマの心臓」小説化
モー様つながりで ポー語りその1。
→初椿は眠り姫の部屋に
ポー語りその2。
→昔からバラは愛の花だというわ きっと思いは通じてよ
↑リンクついでにちょっと書き直して、以前のよりちょっと面白くなってます。
ほんのちょっとだけ…
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映画エントリあと一つで100なんすよねー
さてそんな記念すべき99本目の映画は
「46億年の恋」
…ええー…(自分のチョイスに)
いや、まあ確かに傑作ではないけどね…つーか…うん別に面白くないよね…うんうん…つーかまあ…
なんつんだろう…これ…
やおい…ですよね…
【あらすじ】
とある刑務所内で殺人事件が発生。加害者・有吉(松田龍平)と被害者・香月(安藤政信)はいずれも殺人罪で入所した青年だった。有吉が香月に馬乗りになって、両手で首を絞めているところを看守が発見、捕獲。自供も取れている。しかし被害者の首に残るのは紐状のもので絞めた跡であった。犯人は別にいるのか?
有吉は誰かを庇っているのか。夢のように捕らえどころの無い刑務所の中で、刑事達は真実を見つけるために捜査を続けるが。
…てなもんや三度傘…
まずこの設定のガチさに衝撃を受けましょう。
刑務所!松田龍平と安藤政信!馬乗り首絞め!アッー!
ちなみにこの刑務所は「ショーシャンクの空」に出てくる刑務所じゃなくて「バタフライ・エフェクト」とか「プリズン・ブレイク」に出てくる刑務所だよ。新人が来たら「ヒュ~ウ」みたいなやつね。
んで勿論華奢でカワイスな松田龍平演じる有吉は苛められたりちょっかい出されたりするんだけど、そこを時々香月が助けてくれたりするわけです。この「時々」てのがポイント高いですね…この映画の安藤政信は何て言うか超かっこいいね。
いつともなく言葉をかわすようになった二人が、暇つぶしに運動場へ出るシーンがあるんだけど、そこでの会話が抜群に良い。かなり会話の少ない映画で、実質このシーンが香月と有吉がまともに喋ってる唯一のシーンじゃなかろうか。彼らは落ちていたペットボトルをボール代わりに、蹴ったり蹴り返したりしながら会話をする。
(この時、有吉はきちんと香月のいるところに届くよう加減して蹴っているのに 香月の蹴ったペットボトルはいつも飛びすぎて有吉を振り回しているのが面白い)
「どっちに行きたい?宇宙か 天国か」
「天国。・・・なんてもんがあるなら 宇宙」
「何で」
「そっちの方がヒト少なそうだから」
「宇宙人いるかも」
「いねえよ」
「じゃ天国は信じるんだ」
「お前がどっち行くって聞いたから答えたんじゃねーか」
「なんでヒトいるのがやなの」
「うっとーしい」
「…じゃ何でやるの」
「やんねーとイライラすっから」
「僕じゃダメなのかな そんだけのことなら」
「お前はどっちに行きたい」
「 天国かな」
「だからじゃねえかな」
「何が」
「狂わせたら悪ぃとか思っちまうの」
長ッ。
いやあこの会話が好きでついつい。
香月が超かっこよくないですか!あどっちが香月か分かんないか。宇宙行きたいって言ってる方ね。
はっきり言ってこの映画は決して成功していない。
ストーリーとしても、結局「だから?」つー話ではある。そういう意味で私は冒頭で「やおい(やまもおちもいみもない)」と言い表したんだ。けど。
しかしやはりところどころに「ああ此処好きー」てとこが…何でしょうねこれ愛嬌つーのかなあ。
あととにかく安藤政信(写真右)がかっこいいんだ。
それもほんとちょっとしたことなんだけどね。
以下ネタバレあり。いやな人はカッコ内を決して反転せぬように。
例えば、刑務所に来た初日のシーンで 同じ日に入所した香月と有吉が裸になって身体検査を受けるシーンで、有吉は香月の背中に刺青が入っているのを見て驚く。何故ならその刺青は、有吉が育った村で「勇者」(写真左)と呼ばれていた男の背中に入っていたものと全く同じ図柄だったからだ。( しかし劇中で、この香月の刺青が消えたり現れたりする)ところから察するに、(この刺青は実際に香月の背中に彫られているものではなく、有吉が理想として持っている「男」性の象徴ではないかと私は思う)。
これ、私なりの解釈だから本気にしないでね。
その様子を見て香月は「なに恥ずかしがってんだ」と笑う。そして漸く脱ぎ始めた有吉の、シャツの裾を引っ張って
「脱がせてやろうか?」
とからかうんだけどこの
「脱がせてやろうか?」
が!!!!!
かっこいい…
全然興味なさそうで良い!
その他の見所は特に無いけど(!)
安藤政信がほんとかっこいいのでその点についてのみおすすめです。
あと主人公二人の子供時代を演じる子役が実に印象的。三池さんは子供を使うのが上手いなあ…
てことで記念すべき100本目は三池つながりで行こうと思います。待て次号。
さてそんな記念すべき99本目の映画は
「46億年の恋」
…ええー…(自分のチョイスに)
いや、まあ確かに傑作ではないけどね…つーか…うん別に面白くないよね…うんうん…つーかまあ…
なんつんだろう…これ…
やおい…ですよね…
【あらすじ】
とある刑務所内で殺人事件が発生。加害者・有吉(松田龍平)と被害者・香月(安藤政信)はいずれも殺人罪で入所した青年だった。有吉が香月に馬乗りになって、両手で首を絞めているところを看守が発見、捕獲。自供も取れている。しかし被害者の首に残るのは紐状のもので絞めた跡であった。犯人は別にいるのか?
有吉は誰かを庇っているのか。夢のように捕らえどころの無い刑務所の中で、刑事達は真実を見つけるために捜査を続けるが。
…てなもんや三度傘…
まずこの設定のガチさに衝撃を受けましょう。
刑務所!松田龍平と安藤政信!馬乗り首絞め!アッー!
ちなみにこの刑務所は「ショーシャンクの空」に出てくる刑務所じゃなくて「バタフライ・エフェクト」とか「プリズン・ブレイク」に出てくる刑務所だよ。新人が来たら「ヒュ~ウ」みたいなやつね。
んで勿論華奢でカワイスな松田龍平演じる有吉は苛められたりちょっかい出されたりするんだけど、そこを時々香月が助けてくれたりするわけです。この「時々」てのがポイント高いですね…この映画の安藤政信は何て言うか超かっこいいね。
いつともなく言葉をかわすようになった二人が、暇つぶしに運動場へ出るシーンがあるんだけど、そこでの会話が抜群に良い。かなり会話の少ない映画で、実質このシーンが香月と有吉がまともに喋ってる唯一のシーンじゃなかろうか。彼らは落ちていたペットボトルをボール代わりに、蹴ったり蹴り返したりしながら会話をする。
(この時、有吉はきちんと香月のいるところに届くよう加減して蹴っているのに 香月の蹴ったペットボトルはいつも飛びすぎて有吉を振り回しているのが面白い)
「どっちに行きたい?宇宙か 天国か」
「天国。・・・なんてもんがあるなら 宇宙」
「何で」
「そっちの方がヒト少なそうだから」
「宇宙人いるかも」
「いねえよ」
「じゃ天国は信じるんだ」
「お前がどっち行くって聞いたから答えたんじゃねーか」
「なんでヒトいるのがやなの」
「うっとーしい」
「…じゃ何でやるの」
「やんねーとイライラすっから」
「僕じゃダメなのかな そんだけのことなら」
「お前はどっちに行きたい」
「 天国かな」
「だからじゃねえかな」
「何が」
「狂わせたら悪ぃとか思っちまうの」
長ッ。
いやあこの会話が好きでついつい。
香月が超かっこよくないですか!あどっちが香月か分かんないか。宇宙行きたいって言ってる方ね。
はっきり言ってこの映画は決して成功していない。
ストーリーとしても、結局「だから?」つー話ではある。そういう意味で私は冒頭で「やおい(やまもおちもいみもない)」と言い表したんだ。けど。
しかしやはりところどころに「ああ此処好きー」てとこが…何でしょうねこれ愛嬌つーのかなあ。
あととにかく安藤政信(写真右)がかっこいいんだ。
それもほんとちょっとしたことなんだけどね。
以下ネタバレあり。いやな人はカッコ内を決して反転せぬように。
例えば、刑務所に来た初日のシーンで 同じ日に入所した香月と有吉が裸になって身体検査を受けるシーンで、有吉は香月の背中に刺青が入っているのを見て驚く。何故ならその刺青は、有吉が育った村で「勇者」(写真左)と呼ばれていた男の背中に入っていたものと全く同じ図柄だったからだ。( しかし劇中で、この香月の刺青が消えたり現れたりする)ところから察するに、(この刺青は実際に香月の背中に彫られているものではなく、有吉が理想として持っている「男」性の象徴ではないかと私は思う)。
これ、私なりの解釈だから本気にしないでね。
その様子を見て香月は「なに恥ずかしがってんだ」と笑う。そして漸く脱ぎ始めた有吉の、シャツの裾を引っ張って
「脱がせてやろうか?」
とからかうんだけどこの
「脱がせてやろうか?」
が!!!!!
かっこいい…
全然興味なさそうで良い!
その他の見所は特に無いけど(!)
安藤政信がほんとかっこいいのでその点についてのみおすすめです。
あと主人公二人の子供時代を演じる子役が実に印象的。三池さんは子供を使うのが上手いなあ…
てことで記念すべき100本目は三池つながりで行こうと思います。待て次号。
えー。さて!
今回はちと趣向を変えまして。
映画の中で聞いて思わず感動してしまった名曲を紹介していこうかと思いまする。
まず「パッチギ!」から、「悲しくてやりきれない」。
本当はこの映画で一番大事に扱われているのは「イムジン河」という曲で
もちろんこちらも素晴らしい曲なんだけど
印象的なのは個人的に断然前者。
劇中で流れるタイミングが絶妙です。
オリジナルはフォーククルセダーズが歌っているんだけど
挿入歌はこの映画にも出ているオダギリジョーが歌ったバージョン。
歌上手いんだなあ この人。
それから曲といえばやはりW・アンダーソンですよ。
「ロイヤルテネンバウムズ」から、「Needle in the hay」。
ほんとはエンディングテーマに使われている
ヴァンモリソンの「everyone」がサイコーなんだけどね。
ちょっと動画見つからなかった。
まあこの映画は使ってる曲すべて良いから。
あとこれはちょっと卑怯だけど
「ヤング@ハート」より。
コールドプレイの「fix you」。
急あつらえでこんだけですが
また今度はきちんと準備してアップします。
名曲は聞くだけでも素晴らしいけど
名作の中で聞く名曲はさらに素晴らしいものです。
*********************
追加!
「キス★キス★バン★バン」より
エンディングにかかっていた名曲
ニーナ・シモンの「フィーリング・グッド」
この映画の選曲はおしなべてすばらしい!
それと、これを入れずしてどうする!の名曲。
ブルーススプリングスティーン「レスラー」
歌詞やべえ泣ける
発見!「ダージリン急行」より、Kinksの「This Time Tomorrow」。
Kinks大好き!
今後も気ままに増えてゆきます。
最近いろんな検索ワードでいらしゃるお客さんが多いのでどれどれどんなもんかのと思って解析ツールをチラ見した。ら。
結構いろいろ予想外な感じになっていたので公開しまする。
8月に入ってからの検索ワードランキング。
ぶっちぎりなのは「トーマの心臓小説化」と「MWがBL」ネタ。
数だけ見るとトーマが圧勝なんだけど、MWはあらゆるバリエーションで検索されているのでまとめてみたら大して違いはなさそうだ。つかMWのが多いかもしれない。
トーマの心臓は、まあキラータイトルですしおおっぴらに宣伝されていない分「マジで?」つって検索する人が多いのも納得はいくんだけど、MWかあ…何か意外とすごいですねMW人気…
やっぱ現代風のBL味付けが効いたのかな?
「原作レイプ」で来てる人もいるってところにほのかな達成感が漂います。
「可愛い 神父」で来てる人もいて、ああ可愛い神父さんを探して来て開いたページにあの男くさい顔があるんじゃあさぞ驚いたろうに。と申し訳ない気持ちになりました。そもそも「可愛い神父」で検索かけるってどういう状況だ、と思わなくも無いが。
あ、パッチギ関連もいくつかありますね。パッチギについては書いたのついこないだなのに、凄いなあ。根強い人気を感じます。
ちょっと驚いたのが「黒沼オディール」!何で今更?あ、新刊でも出したんでしょうか?だとしたらうちのブログにあるオディールさんネタはまったくもって何の役にも立たなかったことでしょう…ほんと申し訳ない…
上の画像はランキング上位のものですが、下位になってくるとかなり混沌としてきます。
しょっぱなからガチホモ。
ああ!またMWだよこれちくしょう
「賀来への執着」「結城×賀来」と、ますます私の神経を磨耗させるようなキーワードが続いておりますが
何なんだろうこの破壊力は。「賀来への執着」ってどんだけピンポイントな検索ワードなんだよ。も少し下には「美智雄×賀来」もあります。何事だ…あ、「美智雄受け」もある。あ「結城美智雄受け」もあるわ。(どうでもええ)
MW凄いな…そういえばまだ細々ながら上映続いてるし、実は結構人入ってるんでしょうか?まあ確かにリピーター多そうではある。私も2回行ったしね!(キャハ!)
ともあれものぐさビスケット避難所の8月は、トーマの心臓とMW、という2大元祖やおいタイトルに埋め尽くされた8月でありました。まだ終わってないけど。
一番最後の「女性が吐いたり倒れたりする動画」は真剣に怖いので何も言えません。
そんな文章を書いた覚えは1ミリだって無いわ!
で、検索ワードぶっちぎりのトーマの心臓小説版につきましては
今読んでます。酔っ払った帰りに本屋寄ってつい買っちゃった。たぶん今日にでも読み終わるのでまた感想のひとつも書きますでしょう。
もう何かさらさら読めるわ。お茶漬けみたいな小説だ。
関連エントリ
トーマの心臓小説化について
→なぜ今更… 「トーマの心臓」小説化
「MW」のBL化について
→はいはいBLBL 「MW」
「パッチギ!」について
→爽快だ! 「パッチギ!」
黒沼オディールさんについて
→みんなマジでこんなん買ったりしてんの?
女性が吐いたり倒れたりについて(たぶんこのエントリ)
→またしても備忘録的な意味で
「女性が吐いたり倒れたりする動画」を検索して「おくりびと」の感想に行き着くとは検索した人も思っちゃいなかったろうよ…
高岡蒼甫が出ていたと聞いて「うそお」と思いつつ再見。
うえええ雪男かあ!全然気付かなかった!
幼なじみの九條と青木。カリスマ性を持った九條に憧れと劣等感を抱いていた青木は、九條が校内での権力争いに全く興味を持たない事を歯がゆく思っていた。そんな二人の関係が、ある些細な衝突をきっかけに破綻する。次の日、屋上でサボる九條が見たのは 後輩を従え、眉を剃り、髪を短く切った 別人のような青木だった。
原作は松本大洋の短編集「青い春」。この内、収録作の「しあわせなら手をたたこう」をベースに、「ピース」「鈴木さん」「夏でポン!」を混ぜて一つの物語としたのが映画「青い春」です。
ちなみに漫画「青い春」には「リボルバー」という名作が収録されているが、これは「もう一つの青い春」としてDVD化されている(ロードショーはされていない筈)。作品としては色々残念な出来なので、あまりオススメはしない。
んで「青い春」の方だけど。
松本大洋のヤンキー漫画にはいつも何かしらの閉塞感が付きまとう。部活や勉強にやりがいを見い出せない、或いは必死に打ち込んだものの結果を出せなかった学生の持つ、どうしようもない逃げ場の無さがまずある。そこに住む彼らは、もはや喧嘩さえしない。思えば「青い春」収録作の中で、不良的な喧嘩(学生同士の殴り合い)が描かれていた作品は一つもなかったかもしれない。「ファミリーレストランは僕らのパラダイスなのさ!」ぐらいか。
で、この映画はそんな原作の空気を見事に再現している。
部活も勉強も喧嘩もせず、彼らは屋上で手を叩く「ベランダゲーム」で暇を潰す。
【ベランダゲームのルール】
1、屋上の手すりの外側に立ち、手すりを両手で握る
2、「いーち」という掛け声に合わせ、手を一回叩いてまた手すりを掴む
3、「にー」という掛け声に合わせ、手をニ回叩いてまた手すりを掴む
4、繰り返し
このゲームで新記録を出した者が学校の番を張る事になっている。で、九條は新記録となる八回をマークして見事番長になるのだが、彼自身はめんどくさそうであまり乗り気ではない。
その様子を傍で見ている青木は、何でだよ。と思ってる。
一方、雪男は族の仲間が幹部や先輩にへこへこしているのを冷めた目で見ている。
彼が自分に対しては居丈高に振る舞いながら、しゃがんで煙草を吸う様を立ったまま見下ろしている。
野球部の木村は甲子園に行くという夢に破れ、後輩の一年坊と部室で毎日麻雀をする日々を送っている。「麻雀ばっか強くてもな 野球で負けちゃしょうがねえよな。」
それらの、形を結ぶ寸前で長いこと燻っている火種とも言うべきものが 閉塞感に満ちた校舎のそこここに落ちている。それらは、側から見れば本当に何でもない事で ある日ぱちんと弾ける。
弾ける瞬間の疾走感と、弾けてしまった後の顛末を永久に持て余す少年達を、この映画はよく描いていると思う。将来のプランが見付けられず、今現在情熱を注ぐものも無い彼らが、後の事など全く考えていないが故の暴走、逃避でさえない奇行に走るその一瞬を そしてその一瞬に至るまでの、退屈で生ぬるい それなりに愛しい日々を丁寧に見せる。
役者で際立つのは青木を演じた新井浩文。彼は最近良く映画に出ているようで、「ノン子36歳(家事手伝い)」「ぐるりのこと。」「劔岳~点の記」などで見掛けた。特に「ぐるりのこと。」での快演が印象的。
それとやはり雪男を演じた高岡蒼甫(下写真)がインパクトとして大きい。ビジュアルが現在の彼とかなり違う(今より白くて華奢だ)上に眼鏡をかけているので、相当illな雰囲気が良く出ている。サナトリウムか刑務所が似合いそうだ。
演技が特別上手いという訳ではないが、雰囲気は出ている。
主人公の松田龍平も、いつも通り巧拙で語る事が無意味な「佇まい演技」で 世界観に溶け込んでいる。松田龍平は非常に作品を選ぶ役者だが、本作との相性はなかなか良い方だろう。
あと、もう一つ驚いたのは瑛太が出ていたこと。出番は少ないが印象的な役柄を演じている。クレジットを見たら「EITA」とアルファベット表記だった。そうかあ漢字になる前かあ…
その他にも、塚本高史や忍成修吾など、チラチラと今有名になった人達が出ていて楽しい。
本作は数多ある漫画原作映画の中で、また数多ある不良映画の中で、かなり上位に入るクオリティ。だと思う。
松本大洋が確立したドライな暴力描写、スナップ的に情景を切り取って見せる手法、そして鮮やかなクライマックス表現を見事に再現している。「しあわせなら手をたたこう」に関して言えば、映画のラストが原作のそれを凌駕したとさえ言えるだろう。
青春映画珠玉の名作。オススメ!
関連エントリ
8年後、そこには名前を漢字表記に改めた瑛太の姿が!
→共犯者たちよ! 「ディア・ドクター」
4年後、そこには元気に包丁を棒切れに持ち替えた雪男の姿が!
→爽快だ! 「パッチギ!」
私この役者さんはほんっと絶対大物になると思うんだよ
→2008年は邦画の当たり年 「ぐるりのこと。」
あっ よく考えたら九條と青木が再共演を果たしている。
→ああこういう事だわなあ 「劔岳~点の記」
うえええ雪男かあ!全然気付かなかった!
幼なじみの九條と青木。カリスマ性を持った九條に憧れと劣等感を抱いていた青木は、九條が校内での権力争いに全く興味を持たない事を歯がゆく思っていた。そんな二人の関係が、ある些細な衝突をきっかけに破綻する。次の日、屋上でサボる九條が見たのは 後輩を従え、眉を剃り、髪を短く切った 別人のような青木だった。
原作は松本大洋の短編集「青い春」。この内、収録作の「しあわせなら手をたたこう」をベースに、「ピース」「鈴木さん」「夏でポン!」を混ぜて一つの物語としたのが映画「青い春」です。
ちなみに漫画「青い春」には「リボルバー」という名作が収録されているが、これは「もう一つの青い春」としてDVD化されている(ロードショーはされていない筈)。作品としては色々残念な出来なので、あまりオススメはしない。
んで「青い春」の方だけど。
松本大洋のヤンキー漫画にはいつも何かしらの閉塞感が付きまとう。部活や勉強にやりがいを見い出せない、或いは必死に打ち込んだものの結果を出せなかった学生の持つ、どうしようもない逃げ場の無さがまずある。そこに住む彼らは、もはや喧嘩さえしない。思えば「青い春」収録作の中で、不良的な喧嘩(学生同士の殴り合い)が描かれていた作品は一つもなかったかもしれない。「ファミリーレストランは僕らのパラダイスなのさ!」ぐらいか。
で、この映画はそんな原作の空気を見事に再現している。
部活も勉強も喧嘩もせず、彼らは屋上で手を叩く「ベランダゲーム」で暇を潰す。
【ベランダゲームのルール】
1、屋上の手すりの外側に立ち、手すりを両手で握る
2、「いーち」という掛け声に合わせ、手を一回叩いてまた手すりを掴む
3、「にー」という掛け声に合わせ、手をニ回叩いてまた手すりを掴む
4、繰り返し
このゲームで新記録を出した者が学校の番を張る事になっている。で、九條は新記録となる八回をマークして見事番長になるのだが、彼自身はめんどくさそうであまり乗り気ではない。
その様子を傍で見ている青木は、何でだよ。と思ってる。
一方、雪男は族の仲間が幹部や先輩にへこへこしているのを冷めた目で見ている。
彼が自分に対しては居丈高に振る舞いながら、しゃがんで煙草を吸う様を立ったまま見下ろしている。
野球部の木村は甲子園に行くという夢に破れ、後輩の一年坊と部室で毎日麻雀をする日々を送っている。「麻雀ばっか強くてもな 野球で負けちゃしょうがねえよな。」
それらの、形を結ぶ寸前で長いこと燻っている火種とも言うべきものが 閉塞感に満ちた校舎のそこここに落ちている。それらは、側から見れば本当に何でもない事で ある日ぱちんと弾ける。
弾ける瞬間の疾走感と、弾けてしまった後の顛末を永久に持て余す少年達を、この映画はよく描いていると思う。将来のプランが見付けられず、今現在情熱を注ぐものも無い彼らが、後の事など全く考えていないが故の暴走、逃避でさえない奇行に走るその一瞬を そしてその一瞬に至るまでの、退屈で生ぬるい それなりに愛しい日々を丁寧に見せる。
役者で際立つのは青木を演じた新井浩文。彼は最近良く映画に出ているようで、「ノン子36歳(家事手伝い)」「ぐるりのこと。」「劔岳~点の記」などで見掛けた。特に「ぐるりのこと。」での快演が印象的。
それとやはり雪男を演じた高岡蒼甫(下写真)がインパクトとして大きい。ビジュアルが現在の彼とかなり違う(今より白くて華奢だ)上に眼鏡をかけているので、相当illな雰囲気が良く出ている。サナトリウムか刑務所が似合いそうだ。
演技が特別上手いという訳ではないが、雰囲気は出ている。
主人公の松田龍平も、いつも通り巧拙で語る事が無意味な「佇まい演技」で 世界観に溶け込んでいる。松田龍平は非常に作品を選ぶ役者だが、本作との相性はなかなか良い方だろう。
あと、もう一つ驚いたのは瑛太が出ていたこと。出番は少ないが印象的な役柄を演じている。クレジットを見たら「EITA」とアルファベット表記だった。そうかあ漢字になる前かあ…
その他にも、塚本高史や忍成修吾など、チラチラと今有名になった人達が出ていて楽しい。
本作は数多ある漫画原作映画の中で、また数多ある不良映画の中で、かなり上位に入るクオリティ。だと思う。
松本大洋が確立したドライな暴力描写、スナップ的に情景を切り取って見せる手法、そして鮮やかなクライマックス表現を見事に再現している。「しあわせなら手をたたこう」に関して言えば、映画のラストが原作のそれを凌駕したとさえ言えるだろう。
青春映画珠玉の名作。オススメ!
関連エントリ
8年後、そこには名前を漢字表記に改めた瑛太の姿が!
→共犯者たちよ! 「ディア・ドクター」
4年後、そこには元気に包丁を棒切れに持ち替えた雪男の姿が!
→爽快だ! 「パッチギ!」
私この役者さんはほんっと絶対大物になると思うんだよ
→2008年は邦画の当たり年 「ぐるりのこと。」
あっ よく考えたら九條と青木が再共演を果たしている。
→ああこういう事だわなあ 「劔岳~点の記」