くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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米在住の映画評論家町山智浩が、ラジオでハリウッド映画「ダークナイト」について興味深い話をしていた。
この作品でジョーカーを演じたヒース・レジャーの死因が、この映画に出演したこと、ジョーカーを演じたことそのものであるというもっぱらの噂なんだそうだ。
彼は本作のクランクアップから間もない2008年1月に睡眠薬その他の薬の併用・過剰摂取により死亡した。ハリウッドデビュー作の「パトリオット」や「チョコレート(原題:monster ball)」、「ブロークバック・マウンテン」などの評価も高く、若手では随一の演技派と言われていただけに、アメリカではかなりショッキングに報じられたようだ。日本ではさして報道もされていなかったが。
ジョーカーは稀代の快楽殺人者であり、狂気の男である。ヒースは、躁病のきちがい殺人鬼を演じる為にオンもオフも無く人格を作りこみ、撮影が終わる頃には果たして自分自身が精神を病んでしまっていた。元の健康な自分に戻るため薬に頼り、その結果過剰摂取して死んでしまった。ありていに言って、これが噂の内容である。
この風説も手伝ってか、「ダークナイト」は興行収入ランキングで4週連続首位。公開24日間の興行収入は約4億4000万ドルで、北米の歴代最高興行収入ランキングでは「スターウォーズ」を抜いて2位に躍り出た。
この件に限り、死の実質的原因を推察することに意味は無い。
肝要なことは、語られるべきことは、その噂が広く流布している、というその事実(もっともその流布がどの程度の規模なのか、はっきりとは分からないが)が証明しているいくつかの事。すなわちヒース・レジャーの怪演ぶり、本作におけるジョーカーの持つ圧倒的な存在感と、「頭おかしい最悪の殺人者を演じるため役作りに没頭しすぎ、ついには自分まで頭おかしくなって薬に溺れて死んじゃった」なんていう噂が ある程度の説得力を持って受け入れられているという事実そのものである。
この噂が語るヒース・レジャーの最期は、こと役者の死としては非常にヒーロー的で、「伝説」という印象さえ抱かせる。例えば源義経は死にぞこなって大陸に流れチンギス・ハーンとなったとか、土方歳三は心臓が停止してからも暫くは馬上で敵を斬っていたとか、聖徳太子は100人の声を全て聞いたとか。そういった伝説は必ずしも真実とは信じがたいけれども、それなりに現代においても決して消えず残っているということは、彼らにそういった伝説を捧げた人たちがいたわけで、彼らはその伝説そのものを信じたのではなく、伝説を有する者らの存在感を、存在としての説得力を信じたのである。
要するにヒース・レジャーという役者が、あるいは彼が最期に遺した「ジョーカー」の演技が、それを見た人らをして彼自身に伝説を捧げさせる程の説得力を持つものだった。ということではないか。
つまり「よっぽど」だったんだろう。
まあ、興行収入なんて実際見に行く側からすれば無関係だし、「ダークナイト」の上に立つ歴代第一位が「タイタニック」であることからも「儲かる=面白い」というわけではない事は推して知るべしだし。
それはそれとして、ヒース・レジャーの最後の演技であり、それが今これだけ話題になっている事を考えれば、やはり見ないわけには行くまい。ということで、来週行きます。どっちにしろやもりさんの記事を見て「是非見に行こう」と思っていたんだけども。
それにしても町山智浩の映画批評はなかなか面白かった。ポッドキャストで聞けるみたいなので、是非聞いてみてください。「ダークナイト」見に行くまでに時間があるので、町山さんおススメの「ホットファズ」でも見に行こうかな。と。
関連エントリ
観て来たからといってすぐ感想を書ける映画でもなかった
→まだちょっと悩んでんだけど 「ダークナイト」
結局ロードショーには間に合わずDVD買っちゃった
→男子映画を見て思う 「ホット・ファズ」
この作品でジョーカーを演じたヒース・レジャーの死因が、この映画に出演したこと、ジョーカーを演じたことそのものであるというもっぱらの噂なんだそうだ。
彼は本作のクランクアップから間もない2008年1月に睡眠薬その他の薬の併用・過剰摂取により死亡した。ハリウッドデビュー作の「パトリオット」や「チョコレート(原題:monster ball)」、「ブロークバック・マウンテン」などの評価も高く、若手では随一の演技派と言われていただけに、アメリカではかなりショッキングに報じられたようだ。日本ではさして報道もされていなかったが。
ジョーカーは稀代の快楽殺人者であり、狂気の男である。ヒースは、躁病のきちがい殺人鬼を演じる為にオンもオフも無く人格を作りこみ、撮影が終わる頃には果たして自分自身が精神を病んでしまっていた。元の健康な自分に戻るため薬に頼り、その結果過剰摂取して死んでしまった。ありていに言って、これが噂の内容である。
この風説も手伝ってか、「ダークナイト」は興行収入ランキングで4週連続首位。公開24日間の興行収入は約4億4000万ドルで、北米の歴代最高興行収入ランキングでは「スターウォーズ」を抜いて2位に躍り出た。
この件に限り、死の実質的原因を推察することに意味は無い。
肝要なことは、語られるべきことは、その噂が広く流布している、というその事実(もっともその流布がどの程度の規模なのか、はっきりとは分からないが)が証明しているいくつかの事。すなわちヒース・レジャーの怪演ぶり、本作におけるジョーカーの持つ圧倒的な存在感と、「頭おかしい最悪の殺人者を演じるため役作りに没頭しすぎ、ついには自分まで頭おかしくなって薬に溺れて死んじゃった」なんていう噂が ある程度の説得力を持って受け入れられているという事実そのものである。
この噂が語るヒース・レジャーの最期は、こと役者の死としては非常にヒーロー的で、「伝説」という印象さえ抱かせる。例えば源義経は死にぞこなって大陸に流れチンギス・ハーンとなったとか、土方歳三は心臓が停止してからも暫くは馬上で敵を斬っていたとか、聖徳太子は100人の声を全て聞いたとか。そういった伝説は必ずしも真実とは信じがたいけれども、それなりに現代においても決して消えず残っているということは、彼らにそういった伝説を捧げた人たちがいたわけで、彼らはその伝説そのものを信じたのではなく、伝説を有する者らの存在感を、存在としての説得力を信じたのである。
要するにヒース・レジャーという役者が、あるいは彼が最期に遺した「ジョーカー」の演技が、それを見た人らをして彼自身に伝説を捧げさせる程の説得力を持つものだった。ということではないか。
つまり「よっぽど」だったんだろう。
まあ、興行収入なんて実際見に行く側からすれば無関係だし、「ダークナイト」の上に立つ歴代第一位が「タイタニック」であることからも「儲かる=面白い」というわけではない事は推して知るべしだし。
それはそれとして、ヒース・レジャーの最後の演技であり、それが今これだけ話題になっている事を考えれば、やはり見ないわけには行くまい。ということで、来週行きます。どっちにしろやもりさんの記事を見て「是非見に行こう」と思っていたんだけども。
それにしても町山智浩の映画批評はなかなか面白かった。ポッドキャストで聞けるみたいなので、是非聞いてみてください。「ダークナイト」見に行くまでに時間があるので、町山さんおススメの「ホットファズ」でも見に行こうかな。と。
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観て来たからといってすぐ感想を書ける映画でもなかった
→まだちょっと悩んでんだけど 「ダークナイト」
結局ロードショーには間に合わずDVD買っちゃった
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