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くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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風呂で三池崇史監督作品「D.O.A 2」を再見。やっぱ良いわぁーこの映画。と再確認しますた。三池崇史のこういう作品ってほんともっと評価されて良いよなあと思う。これもあみだの中に入ってますのでいずれ紹介すると思います。想像するだけでたぎる!やったるでぇ!


んで今日は三池祭第二夜。取り上げますのは「大阪最強伝説 喧嘩の花道」です。
原作はスポーツジャーナリストの二宮清純が書いた同名ノンフィクション。
プロレスラーの前田日明と、ボクサーの赤木英和たちの高校時代のエピソードをベースに作られたビデオシリーズの記念すべき第一作です。ちなみに5本くらい作られたらしいが、1作目以降は違う人が監督してるらしいので観ていない。
格闘技ファンからすれば、伝説の2人をモデルにしている(しかし実際の出来事とはおそらく大幅に異なるであろう)という点だけでも「買いですぜ!」てなもんらしいけども、私そこらへんは詳しくないのであまり分かりません。でもそこらへんを抜きにしても、この作品は間違いなく一級品の青春映画です。


浪花西高の玉井カズヨシ(やべきょうすけ)、天南高の浜田タケシ(北村一輝)。彼らは大阪でやたら喧嘩の強い男たちとして名を馳せていた。不良全盛期の大阪で、当然ぶつかる筈だった彼ら2人は、しかし運命に翻弄されて何度も何度も そう広くない小さな街で擦れ違い続ける。カズヨシはいつもつるんでるトシオとリツコとの三角関係に巻き込まれ、トシオは恋と自身の家庭の事情に苦しみ、タケシは上手く行かない父親との関係に苛立ち…青春の苦しさから逃げるように、自分一人ではどうにもできない苛々を爆発させるように、彼らは殴り合い、ぶつかりあい、何故なら彼らはそうする事でしか互いの、或いは自分の存在を確認出来ないからであって、そんな不器用な男たちの青春を暖かくコミカルに、時折物悲しく描き出した本作。なんですが。





もう何か…三池祭だ!なんつってノリノリでこれ書いてるんですが、書こうと思えば思うほど「いやこれ書くべきじゃねーな」なんて思えてきちゃうのは、間違いなくこの作品を観てもらうのが一番良いからなわけで。こんな駄文読んでる暇があったらみんなレンタル屋さんに走れば良いじゃない!!(元も子もない)


この映画は、持つ者と持たざる者をくっきりと描いています。持つ者はカズヨシ。両親はおらず、祖母と二人暮らし。夢はボクサー。トシオと一緒にラーメン屋でバイトをしながら喧嘩に明け暮れる毎日。
持たざる者がトシオ。妻に逃げられてから精神を病み、子どものようになってしまった父親と二人暮らしをしていて、喧嘩が強く学校でも人気者のカズヨシとは親友でありながら、彼に対してひっそりとしたコンプレックスを抱いている。クラスメートのリツコに恋をしているが、彼女の好きな人はカズヨシであることを知ってしまう。
この二人の人生を対比して描写するんだけど、私の中ではトシオが主役です。演じてる奥田智彦さんも非常に良いです。
オープニングシーンでは大阪の街中で、街頭テレビ中継に群がる人々のやりとりと、狭い路地を弟分と一緒に逃げているヤクザらしき男が交互に映される。やがてその男が広場に出ると、テレビの前に人だかりが出来てて、画面には東京で今から始まるらしい異種格闘技戦の会場が映し出されている。熱狂する観客の声に出迎えられ、入場する一人の男。その姿を見てヤクザの男が「カズヨシ!」と叫ぶ。
その男は、成長したトシオだった。

かつての親友だった男たちの片方はボクサーになり、もう片方はチンピラになって街頭で親友の試合を見守っている。

そして映画は、彼らが高校生だった時代に戻って語り始めるのである。彼らの運命が、いかに彼らの人生を分けたか。


もうこの展開だけで泣けそうです。
加えてその高校生活が、また何て爽やかで馬鹿馬鹿しくて眩しい事か。
そのセリフ一つ一つが本当に活き活きとしていて良い。
NAKA雅MURAという脚本家の仕事は見事に賛否両論で(まあこれは三池崇史も一緒だけど)、結構な駄作と評される映画(「どろろ」とか「ドラゴンヘッド」)にも携わっていたりして、手放しで絶賛出来るとは思わないんだけど、この日常にしっくりと馴染むようなやりとりとか台詞回しは文句無しに凄いと思う。
なおかつ随所でバシッバシッと泣ける台詞も仕込んで来るのが侮れない。
この映画ではタイヘイ夢路演じるカズヨシの祖母(この人間違いなく助演女優賞)が人生に迷うトシオに向ける一言が出色。


「まだまだや。生きてる限り、どっこい本番はこれからや。負けたらあかんでぇ、今おまえが考えてるもんと人生はちゃう。戦こうていけ!好青年!」


映画全体が暖かい、優しい視線に満ちている。
それはかつての自分を見るように登場人物を見ることが出来る人間にしか持ち得ない視線だ。
成り上がる者もいれば道を踏み外す者もいる。人生の半ばでどん底まで落ち込んでも、それはまだ人生とは違う。
運命に翻弄され、過去に振り回され、傷ついて落ち込んで、それでも戦う為に立ち上がった時に人生はようやく幕を開けるのである。

観終わった後、無駄にわきあがる感動と闘志は一体何なんでしょう。
これ観て戦え!
激!オススメ!





関連エントリ
三池祭第一夜 「極道恐怖大劇場 牛頭」
三池祭第三夜 「龍が如く 劇場版」
三池祭第四夜 「 DEAD.OR.ALIVE2~逃亡者」
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