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くしゃみしたらヘッドホンはずれた
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来ましたでぇ!


思いつきと自分の無計画さと勢いから始まった三池崇史監督作品大プッシュ祭(正式名称)。
今から思い起こせば色々な事があった気もしたがそんなことはなかったぜ。
ただ観た映画についてだらだら喋ってただけだ。そしてそれはいつものことだ。
しかし一応始めたものは終わらせねばならんというのも道理と言えば道理。
三池祭、いよいよオオトリとなりました。しんがりを務めるのは押しも押されぬ国際的映画監督三池崇史の代表作


オーディション!!


(あらすじのようなもの)

妻を亡くして数年が経ち、一人息子も高校生。仕事もそこそこ順調で、休みの日には息子と釣りに出かけるくらい親子関係も上々。そんなある日、息子に「親父もそろそろ嫁さんもらえば?」と言われ、再婚を考え始める主人公・青山(石橋凌)。しかしそう簡単に相手も見つからず、久し振りに会った、映画の制作会社で働く友人の吉川(國村隼)にぽつぽつとそんな話をする。

「どっかに良い女が隠れていないかなあ…この年になって失敗するのはしんどい。だから出来るだけいろんな女に会って、理想の女を選んでみたいんだ。…やっぱり無理かな。」
「いいや 任せろ。ひとつだけ方法がある。…オーディションだよ」

吉川が言うには、今度作る新しい映画の主人公を選ぶオーディションでついでに青山の再婚相手を探せば良い、とのこと。そんな上手い話が…と思っていた青山だが、会場でまさに理想の女性・麻美(椎名英姫)と出会ってすぐに彼女に夢中になる。順調な交際を経てついに彼女にプロポーズする青山。しかし彼女には、青山が知らないもう一つの顔があった……


とまあこんな具合。
言ってなかったかもしれないが、この映画ゴリッゴリのホラーなので、まあもう一つの顔ってのはそういう顔なんだけど そこらへんは実際観ていただくとして。
この映画は、まあホラーはホラーなんだけど 重要なのは男にとってのホラーであること。
もっと言えば、男たちによって虐げられてきた女の復讐劇。という視点でも見れる。まあ見れなくもない。見てもそう間違いではないんじゃないかな?(弱気)という作品であるということだ。
そういう意味では、女性にとってはある程度(あくまである程度!)スカッとするところもあるんじゃないかと思う。


そもそもが再婚相手をオーディションで選ぶ、という主人公の行動が、人として非難されるべきものだ。三池監督は男が女を一方的に(しかもそのオーディションの趣旨とは全く違う理由で集まっている女性を勝手に)取捨選択すること、加えて青山や吉川の提示する理想の女性像そのものが女性蔑視であるという批判を海外の男女同権主義者から受けている。
(それにしても人間的に自立した女性を見つける方法が、2・3の質問で一人の人間を判断した上で、男の視点から一方的に審査し識別するオーディションである、というのも皮肉である。選ばれている時点で、その女性は自立した人間として扱われてはいない)
しかし監督の視線は寧ろそれらの人達に寄ったものであると言え、まさに青山や吉川のような男たち、彼らのような価値観を持って女性を見ている男たちを批判するつもりでこの映画を撮ったと監督自身主張している。
監督の意思を意識して観ると、作品のあちこちに 「男たちのそういった価値観」が見え隠れしている。
最も露骨なのが、実際のオーディションで吉川が女性たちに向ける質問だろう。
以下に例を挙げる。


お父さんの職業は?
好きでもない男に抱かれたことある?
ドラッグに興味ある?
尊敬する女優は?
風俗で働こうと思った事は?
君にとって男とは?
タルコフスキーの映画見たことある?
ラブシーン大丈夫?
霊感強い方?
嫌いな男ってどんな男?


これらの質問を、吉川は非常にどうでもよさそうに、興味なさげに彼女たちへ繰り出していく。


さらに青山は、オーディションに応募してきた女性たちの履歴書を前にして、「そこから30人に絞れ」と言った吉川に対し「こんなに悩んだの、初めて車を買った時以来だよ」と口にしている。これは青山という男がどのように女を見ているかが端的に表れたセリフと言える。ちなみにこのシーンの少し前で、吉川はこんな発言をしている。

「書類審査をパスして、二次審査を落とされる そういうなかに掘り出し物が隠れてる。1000人応募してくれば10人くらいいるかな…それこそ、連れて歩きゃ周りの男が振り返るような、頭も育ちも良くて素直で、個人的な訓練ができてる 息子の嫁にしたいような女がさ」

先述の「女性蔑視だ」という批判を受けた青山・吉川の理想の女性像とはおそらくこの発言の事であろう。
「車」「連れて歩きゃ周りの男が振り返る」というあたりを合わせて考えると非常に味わい深いものがある。腐ってるなあ、と思う反面、まあ多かれ少なかれこういう風に考えてるんだろうな世のおっさんらは。とも思う(しかし或いはこの発想も男性蔑視的かもしれない)。

こういった要素に対して、むしろ不思議なのは 批判が入ったのはイギリスやアメリカなどの海外ばかりであり、日本国内では「非常に男尊女卑的な登場人物の思想」についての突っ込みはあまり見られない点である。もっとも、きちんと文献や資料に当たってはいないし、参考にしてるのはオンラインでの評価の声なので、既に「オーディション」における女性蔑視的な視点についてはしかるべきところで誰かが言ってるのかもしれないけど、あくまで一般の映画ファン@日本の間では、もちろん優れたホラームービーであるという一定の評価は得ているようだが、海外でこの作品が高評価を得ている事に関しては、寧ろ不思議そうな声が高い。
日本人から見ると、このあまりに日常に馴染んだ女性蔑視的価値観は、言われないとあまりぴんと来ないのかもしれない。

そこらへんを考えながら観ていると、何だろうか、この映画はたして本当にホラーか?という気がしないでもないのは私が女であるという事も勿論関与しているのだろうが、むしろこの作品の後半からの異常なテンションで繰り広げられる残虐非道な拷問の数々。この映画を伝説のホラームービーたらしめている衝撃の暴力描写には


世にあふれているどうしようもない腐った男たちを天下無双の女王様が華麗にお仕置きしちゃうよ(はあと)


といった裏テーマも見えてくるようなこないような。そんな不思議な感覚に襲われるのである。


まあそういった妄想は置いといても、やはり単純なホラーとしても見逃せない演出はずばっと効いていて唸らされるし、物語が後半にさしかかるところで挿入される、青山の見る実際の出来事と想像の産物が混ぜ合わされて記憶として再構築されていくような悪夢が非常に効果的。その悪夢の中で青山は、見た事も無い筈の麻美の部屋で彼女にフェラチオをされかけるのだが 彼女が顔を上げるとそれが、自分を好いている職場の部下(一度だけ肉体関係を持った)に変わり、驚愕していると今度は息子が一度家に連れて来た女友達に変わる。そのシーンが素晴らしい。息子の彼女に性欲感じてやんの。うわーこのおっさん最悪。ま、性欲っていうか何て言うか、女という生き物に人格を求めてない感じ?目に入る女=ヤれるみたいな。そういう漠然とした男尊女卑感。このおっさんがごく自然に抱いてるおごりというか。ハーレム観とでも言おうか。女性が抱くハーレム願望より、男のそれって遥かに性欲処理的なイメージがある。女の考えるハーレムは「自分がモテる」という象徴のようなもんなんだけど。まどっちもどっちだけど。

さらにその夢の中で青山自身がオーディション用の椅子に座り、「なぜ再婚する気になったか」を語っているシーンがある。これも素晴らしい。「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」という言葉を思い出す。まさに絶妙。


原作は村上龍の「オーディション」。三池映画なのでさほど原作に忠実というわけではないだろうが、いかにもこういうテーマの小説は村上龍が書きそうだな。とも思う。村上龍と三池崇史の相性は、考えてみるとそう悪くもなさそうだ。露悪的な残酷描写を良く用いるところが似ている(そこだけとも言えるが)。ちなみに私は未読。


世にホラー映画は数あれど、何度か見直す余地のあるホラー映画というとかなり限られてくるのではないかと思う。そういう意味ではこの作品は、間違いなく1度観てびっくり。では終わらない、2度3度と観ることでいろんな側面を見ることのできる映画ではないかと。

とはいえもちろん1度目でドロップアウト。そう断言する権利もあるので、不快感を抱いた貴方は我慢せずその場で停止ボタンを押す事をお勧めする。何故ならその先にはさらに酷い展開が待っているから。
急降下を始めたら決して止まらないジェットコースター的残酷物語。しかし何処か爽快。何故か?


そりゃーまあ、私が女だからでしょうね。

ということで、世の女性たちよ お勧めです。
そして世の男性たち*よ、これ観て心底ぞっとしろ!超お勧めです!!




* つっても青山みたいな考え方してる男の人は最近あんまりいないだろうけど



レンタル版DVDが出ていないというまさかの事態なので、観たい人はDVDを買うか、レンタル屋さんでVHSを探すしかないのだ。ブルーレイ版がもうすぐ出るらしいので、それに乗じてレンタル版が出るかもしんない。
まあホラー映画って友達と一緒にわーきゃー言いながら観るのも楽しいし、買ってみても意外と良いかも。ちなみに私は買いましたよ。しかしブルーレイ出るならもうちょっと待てばよかったかな…


関連エントリ


三池祭第一夜 「極道恐怖大劇場 牛頭」
三池祭第二夜 「大阪最強伝説 喧嘩の花道」
三池祭第三夜 「龍が如く 劇場版」
三池祭第四夜 「 DEAD.OR.ALIVE2~逃亡者」
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面白かった!
まあ原作の勝利ですわな。藤原竜也というキャスティングもナイスです。蜷川仕込みのやや大仰な舞台向け演技が感情豊かなカイジにぴったり。
香川照之の利根川も良かったよー!「ファッキュー」

20090916224006d58.jpg


wwwwwwwwwwおとなげないwwwwwwだが原作通りだから困るwwwwwww

しかし鉄板土下座が無い…だと…!見たかったのになー。
でもかなり楽しみました。原作知ってる方が絶対楽しいから観に行くならEカードまでを漫画で読んでから!これ絶対!


ところでふいと入ったムーミンオーロラカフェでムーミンパパが隣に来たんだが。↓





のにはきちんとした理由があってさ!

本来なら「オーディション」について書く頃合いなんだけど私このDVD今会社の人に貸してて観れないんですよ…(あんなんでも一応観返しながら書いてんのよ)。
つーか大概長いこと貸してんだけど、何かその人が「途中まで観てまだ続き観てない」って状態でストップしてて!今!んで「あんまり長いこと借りてるの悪いから返すね…」って先週末言ってたから今日返ってくるかなって会社行ったらその人休みっつう。おおおおおおい!

んで次の日会社行ったら無事DVD戻ってきた。
しかも最後まできちんと観てくれてた!
うへへウレシス。うれしかったので性格悪い言い草は消しました(濁りの無い目で)。


まあ、そんなこんなで今は珍しくテレビばっかり見てるんですよ。
んで今日は両親と一緒に「相棒」を見た。見たんだけどさー

あれさー

言っていいかなー


狙い過ぎだろ!!!


ホーモ!ホーモ!いやあれは絶対間違い無い。その層からの受けを狙い過ぎ。
誰が何と言おうとこれだけは譲れない!!
そんで言っとくけど


やりすぎ!!


「思えば、前回の事件では別々の部屋でしたが 今回は同じ部屋で夜を過ごすわけですから」
「君、唐突に不気味な事を言い出しますねえ」
「あ、違いますよ、そんな変な意味ではなくて」
「当たり前ですよ」


こんな会話を聞いていったい誰が喜ぶと思ったんだ。
腐れしか喜ばんわ!ていうか下手したら腐れも引くわ!
茶の間にこういう誰得を仕込まれると私非常に困惑しますよ。
年老いた両親にとって「相棒」は数少ない楽しみなんだからさーほんとたのんますよ。


こういうのは加減が命なのだよワトスン君。
あくまで匂わせる程度!
そっから先を妄想するのは腐女子の仕事であって
公式さんの仕事じゃおまへんにゃ!分かったらさっさと帰ってくんなはれや!!(塩)
しかしこう見ると及川光博というキャスティングはもしかして致命的だったのではと思わざるを得ない。亀山さんにあった体育会系テイストが一切消えてしまった事により、思ったよりも生臭さが増してしまっているではないか…あとやっぱりみっちーあんま演技上手くねーな。


つーことで相棒スタッフには速やかに反省して、元通りの健全な刑事ドラマを作っていただきたいと思うことしきり。うちの両親のためにもひとつ。




段取り が 悪すぎる!


にやめっこでイライライライラした。
お手本のオードリーで時間使い過ぎて本選で時間足らず決着つかなくておみくじで無理やり勝敗を決めるってどういうこと?
あとリングが上がるのか上がらないのかはっきりしてほしかったわ。絶対あの機能いらない!

最後のクイズで一気に100点ゲット!も毎回裏目に出るよなー
まあそんな毎年見てるわけでもないんだけど。
小栗と香里奈の戦い、超見たかったのに…
(何だかんだで楽しんでいたのだった)

まあ私の中では「東京DOGS」がぶっちぎりのグランプリです。
久しぶりにドラマを見ようと思ったよ。
頑張れ!小栗旬頑張れ!

こないだ凄い気になったこと。

TBSの「王様のブランチ」は映画コーナーだけ結構毎週見てる。
んでこないだちらっと見た時、「なんちゃって映画」だか何だかと銘打ち特集を組んでいたんだけど。

例えば「ALWAYS 三丁目の夕陽」に対する「ALLDAYS 二丁目の朝日」だとか。
「ホームレス中学生」に対する「ホームレスが中学生」だとか。
「少林少女」に対する「少女老女」だとか。
(しかしオリジナルも酷いラインナップだな)

当たった作品にあからさまに似せて作られた作品のことをそう呼んでいるらしいのですが。

その特集であろうことか「20世紀少年」のなんちゃって映画として「26世紀青年」を紹介してるのを見た時は思わず叫んでしまいました。
いい加減な事ゆーな!

idiocracy.jpg
原題の「Idiocracy」は「idiot」(ばか)と「~cracy」(~主義)からなる造語。
きちんと考えてつけられてる題名があるんだから、邦題にもそれを生かす努力をしろよと思う。


「26世紀青年」が作られたのは2006年で、「20世紀少年」の映画化は2008年だし、そもそも「26世紀青年」は日本で勝手に付けられた邦題であって(原題は「idiocracy」)制作者が「20世紀少年」を模倣した訳でもないのになんちゃって映画とはなんたる無礼!
第一映画としての質で言えば「20世紀少年」の方がよっぽどなんちゃってだっつーの。


この作品に限らず、DVDスルーのコメディ映画に付けられてる邦題は酷いものばかりだというのは有名な話で、こーゆー日本のムーブメントに無理やり乗っかるような類のやつは特にパッケージを見るだにお寒い気分にさせられる。「バス男」とか。あれも映画は面白かっただけに気の毒だ。

napoleondynamite.jpg
こちらの原題は主人公の名前である「Napoleon Dynamite」。


ていうかこれらの邦題をつけた人は戦犯だよ。絶対名前のせいで見る人減ってる。


んで、邦題は当然実際の内容とは全く関係が無いし、「20世紀少年」との実質的共通点などもちろん皆無なのをまずいと思ったのかどうなのか、ナレーションで「26世紀青年」主役のルーク・ウィルソンを「アメリカの唐沢寿明的俳優」と紹介する始末。唐沢寿明的って何だ…

ルーク・ウィルソンといえば天才マックスの世界(これも酷い邦題の一つだ)やロイヤルテネンバウムズなどのウェス・アンダーソン作品をはじめとして、キューティ・ブロンドやチャーリーズエンジェルなどのメジャー作品にも出演している俳優。同じく俳優であるオーウェン・ウィルソンの実弟だ。唐沢寿明かどうかは知らんけど、きちんとした俳優さんである。

2b5ddd66.jpg
「天才マックスの世界」より。これの原題は「RUSHMORE」。主人公マックスが通う学校の名前。ていうかマックスは別に天才じゃない。

脇を無駄にタレントやらお笑いで固めて、資金の無駄遣いに精を出した漫画原作の三部作(*1)に比べりゃ「26世紀青年」はよっぽどちゃんとした映画だよ!と久しぶりにテレビの前でイライラした。


ムカつくので投書でもしたろうかしら。
ああ!腹立つ!

*1 ソース→総製作費ナント60億円!!!!ベストセラーコミックついに実写映画化! 豪華ビッグキャスト勢揃いの映画『20世紀少年』製作報告会 (2008/05/11)

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